【専門家・体験談】ADHD(注意欠如・多動症)とは? 保護者はどうサポートする?
ADHDの対応法は? まずは環境を整えることが大切
ADHDのお子さまの対応では、お子さまが過ごしやすい環境を調整したり、行動をサポートしたりするなど、行動面での支援が一般的です。 医療機関を受診すると、ADHDの症状にはお薬が処方されることもあり、お薬の助けを借りながら生活しているお子さまもいます。 【環境を調整する】 勉強をするときは、短く時間を区切って取り組むのがおすすめです。 また、引き出しの中身がすぐにわかるように、イラストや写真を貼るのも有効です。
【行動の支援】 お子さまが長い時間座っていられたり、宿題に集中して取り組めたりしたときには、保護者のかたができる範囲でほめてあげてください。 その際、どうしてほめられているのかも一緒に伝えると、さらに効果的です。 また、「1回〇〇できたら1点」のように得点化をして、それを数えていくのもよいですね。 逆に、立ち歩いてしまった場合は、叱るのではなく、「座ってほしい」などの適切な行動を促す声かけをしましょう。 【薬物療法】 ADHDの症状を緩和するため、医療機関からお薬が処方されることがあります。 種類によって効き方は異なり、また成長段階によって用量も変わります。 また副作用の出方もお子さまによってそれぞれですので、医師の指示・判断に従って服用することが大切です。
どう支える? ADHDの子どものサポート方法
ADHDのお子さまに対する支援には、家族や周囲の理解とサポートが大切です。 お子さまの成長段階に応じて、適切なサポートと理解を深めることで、より良い日常生活を実現できるでしょう。 学校での過ごし方に困っているときは、担任の先生に相談してみましょう。 お子さまに合った配慮をしてもらえると、学校生活の困りが軽減されることがあります。
また、保護者のかたが子育てに悩みを抱えることも少なくありません。 そんなときは、保護者のかたが子どもへの効果的な接し方を学べる「ペアレント・トレーニング」も有効です。 ペアレント・トレーニングでは、ADHDやASDのお子さまへの接し方を、専門のトレーナーから講習を受けて学びます。 たとえば、 ・お子さまをほめること ・お子さまのことをよく観察すること ・上手に指示を出すこと などを、講習を通して習得していきます。 ペアレント・トレーニングの講習は、診断を受けた医療機関で受けることが可能な場合が多いですが、その数はあまり多くありません。 近隣の医療機関で講習を受けることが難しい場合は、ペアレント・トレーニングを解説している本などを参考にすると良いでしょう。 そのほか、保護者の皆さんの体験談を参考にするのも1つの手です。 例えば同じ発達障害のお子さまをお持ちの保護者のかたに、アドバイスをもらうなどしてみましょう。 困りごとは違いますが、いろいろな体験談を知ることは、お子さまへの支援や保護者のかたの安心につながるでしょう。 いずれにしても、ADHDのお子さまの困りごとをできる限り減らして、その子らしいのびのびとした育ちができるよう支えていくことが大切です。