“記憶のとらえようのなさ”を表現した「解像度が変わるドット絵」が面白い
鑑賞者からの反応は、作品が心の内の光を共鳴させているようにも思える
──作品で描く都市の風景などのインスピレーションはどこから得ていますか? Yosca Maeda 主に自身の記憶が元になっています。 幼少期に見た印象的な景色である場合もあれば、実際には存在しない、これまでの経験が組み合わさって生まれた架空の場所がモチーフになることもあります。 どちらにしても、自身が見てきたものから強いインスピレーションを受けています。 写真を見て参考にする場合もありますが、それは制作過程の後半になることが多く、自由に自身の印象を描くことを心がけています。 ──今回の個展では、NFTサービス「Highlight」を利用した専用チャット(※)も開設されています。解像度が変わる展示も含め、鑑賞された皆様からの反応はいかがでしょうか? (※)専用チャット:展示会場にあるパソコン、もしくはNFTの所有者のみが書き込める Yosca Maeda 私の作品に触れていただいて思い出したことや、ご自身の温かく優しい記憶を、来場者や作品をMint(編注:NFTを新たに発行すること)していただいた方々に、専用チャットで共有していただいています。 そのフィードバックは多様で、私が作品に込めたイメージとは異なる記憶や感情を思い起こされる方もいて、とても興味深いです。作品がそれぞれの心の内側にある光を共鳴させているようにも感じられます。 チャットに書き込まれる言葉はどれも素直で、温かく優しいものばかりです。 作品との出会いが、自身をつかさどる大切な感覚に触れて、再確認するひとつのきっかけになれたのならうれしいです。
Yugaming