【バレー】駿台学園高男子は春高3連覇&高校三冠まで残り2勝。敵は自分たちの中にも?「まだまだ」と口をそろえる選手たちの胸の内
「きちんとやることをやれば、可能だと思います」と谷本
周囲からすれば大会3連覇そして高校三冠の偉業達成の可能性は高く映るが、そうではないことは戦う本人たちが実感している。 「いろんなかたちで自分たちのことを取り上げてもらっているので、その部分でどのチームも駿台学園を倒しにいく、という気持ちだと思うんです。そうしたプレッシャーもあるなかで自分たちがどれだけできるかだと。ただ、プレッシャーがあるとはいえ、それほどプレーに影響はありません」 そう話す川野の言葉どおり、プレーレベルの高さは、言わずともこれまでの結果で示してきた。あとは「きちんとやることをやれば、(優勝は)可能だと思います」と谷本も話す。 と同時に、準々決勝を終えて選手たちの口から聞かれたのは、精神的な要素も含めて自分たちがまだまだ100%ではないということだった。 1年目から春高のセンターコートを経験してきた谷本は「体育館が大きいので、会場の雰囲気がいつもと違う分、今回も緊張しました(笑) 自分はディグの面で思うように動けていないことが多かったので、準決勝から切り替えて、持ち味であるディグを発揮したい」と理想とのギャップを口にする。また谷本と同じく、2年前の春高決勝では当時1年生ながら途中出場で逆転勝利の立役者となったミドルブロッカーの高澤大馳も、自身の強みであるアタックについて「攻撃が合っていない部分があるので、もっともっと精度を高められたらいいなと思います」と話すことから、フルパワーでないことがうかがえる。 さらに、その2人とは異なり過去2大会では登録メンバー入りを果たしながら、ベンチ入りはかなわなかったエースの櫻井信人は「自分のコンディションはまだまだ上がっていないので。しっかりと上げて、レシーバーを吹き飛ばすようなスパイクを見せていきたいです!!」と言葉に力を込めた。
未知なる相手、市立尼崎高(兵庫)との準決勝は11日の第3試合(14:15開始予定)
集大成となる最後の2日間で、自分たちの最高潮をぶつける。そこではまず市立尼崎高(兵庫)との準決勝に臨むわけだが。これまでに対戦経験や練習試合をしたことがなく、なおかつここからは5セットマッチとなるため、試合の進め方そのものも変わってくる。谷本は「探り探りになるとは思いますが、1セット目でしっかりと対応できるように。常に考えることを怠らないようにしなければ」と気を引き締めた。 自分たちの内なる敵そして未知の相手との戦いは、偉業達成への障壁にほかならない。それでも選手たちはわかっている。 「日々の練習や努力があるのだから。思いきりやってこい」 準々決勝の最後、マッチポイントでのタイムアウト明けにサービスエースを決めた櫻井が、梅川大介監督から受けた言葉である。自分たちの過程を信じた先にきっと、つかみたいものが待っている。 (文/坂口功将)
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