「娘との会話が弾まない…」と悩む57歳。清水ミチコさんが考える大切なこと
ESSE読者から寄せられたお悩みに、清水ミチコさんがお答え!
Q:口数が少ない二女との会話が弾まない…
二女は普段の口数が少なく、2人でごはんを食べに行くと沈黙が多いので困ります。長女と二女は趣味が合うので2人でよくしゃべっているのですが、私が無理に話を広げようとしても「どうせわからないでしょ」と相手にされません。どうすれば会話が弾むでしょうか? らんらんさん(57歳・会社員)
A:会話が盛り上がらないのは、家庭が平和な証拠です
人間、本当にホッとできる相手には、あまりしゃべりませんよ。信頼しあってる関係ほど、沈黙が怖くないからです。むしろしゃべらなくちゃ、間を埋めなくちゃ、などと感じているときは、相手の人に遠慮があるもの。かくいう私がそうなので、ここは自信をもって言えます。社交性を求められるこの時代に、お母さんは安心、休憩できる存在であって、娘さんらにとってかけがえのない時間なのかもしれません。 奥さん、世間には母親をうとましく思って憎み、縁をきりたがる人だってたくさんいるんですよ。会話が盛り上がらないなんて、なんて平和でうらやましい家庭であることか。あなたも悪くないし、さらに娘さんらもぜんぜん悪くない。よくあることですよ。都合のいいときだけ娘さんがすり寄ってくるとしたら、それはそれで自然な話です。これも私がそうだったからですが。 世代が違えば、会話が盛り上がらないのは当然で、もしも我々、大人側が、若者の文化や情報を取り入れて盛り上がるようがんばってみたところで、土台無理があります。すぐにほつれが見つかります。 しかも今は昔より情報量の多さが全然違っています。次にやって来る流行のスピードも速いので、追いかけるだけムダ足だと私は思います。仕入れた情報はあっという間に古くなる。タピオカ好きなんでしょ、と言ったりすれば、どえらい恥をかきます。
自分の世代に近い友人を見つけてみるのはいかがでしょう。わかりあえる世代の友人って、すごく大切なものですよ。友人ができたらこのお悩みのような話をする。「娘たちは、私が顔を出すととたんにシーンとするの」などと愚痴ってみれば、それだけで笑い話になります。 お祓い(おはらい)とお笑いは、言葉の音も似てるけど、本当にヒトを一度さっぱりさせ、鎮めてくれるものだと聞いたことがあります。こんなことは笑い飛ばしていい話ですとも。みれば、それだけで笑い話になります。 娘さんとは「沈黙は金の関係」と思って割りきって、次のステージへとさっさと向かいましょう。
ESSE編集部