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【北京・伊藤完司】中国広東省深圳で日本人学校に通う男子児童（10）が男に刺殺された事件で、柘植芳文外務副大臣は23日、中国・北京で中国の孫衛東外務次官と会談し、事件の動機を含む真相解明と説明、在留邦人の安全確保を求めた。孫氏は「今回の事件に驚愕（きょうがく）しており、いかなる暴力も断固取り締まる」などと述べたが、動機の説明はなかったという。上川陽子外相は同日、中国国内に12校ある日本人学校の警備強化のため、緊急に外務省の予算約4300万円を充てると表明した。 【関連】「外せない拠点」中国での男児刺殺　九州の地場企業、帯同家族の一時帰国も含め対応 　日本の外務省によると、孫氏との会談は約80分間に及んだ。柘植氏は中国の交流サイト（SNS）で横行している日本人学校に関する悪質で根拠がない投稿を取り締まることも要求。孫氏は今回の事件に対して「遺憾・痛惜の意」を表明し、「児童は全ての国で優先的に守られるべき対象だ」とも述べたという。 　柘植氏は同日、北京の日本大使館で、中国に進出する日本企業でつくる中国日本商会や日本人学校の関係者と面会。「中国各地の日本人学校の安全、何より子どもたちの安全確保を最優先に、できることは全て行う」と予算措置などについて説明した。その後、孫氏との会談について記者団に「事件の動機や悪質な投稿への対応について説明を求めたが、明確な回答はなかった」と明らかにした。 　上川氏は23日（日本時間24日）、米ニューヨークでの国連総会に合わせ、中国の王毅外相と会談予定。