空港でのやりとりスムーズに ANA遠隔手話通訳サービス、成田でも
全日本空輸(ANA)は、空港の国内線で、耳や言葉の不自由な旅客を対象とした「遠隔手話通訳サービス」を、成田空港(千葉県成田市)を含む全国に拡大した。専用端末の使用から、2次元コード(QRコード)を使う形に変更した。係員との意思疎通をスムーズにする試みだ。 【写真】2次元コード(QRコード)を読む込むと、ANAの遠隔手話通訳サービスを利用できる=2024年11月14日、成田空港、小林誠一撮影 ANAによると、遠隔手話通訳サービスは、オペレーターが画面越しに、旅客と係員の会話を手話と音声で同時通訳するもの。搭乗手続きや航空券に関することといった問い合わせのコミュニケーションが円滑にはかれるようになる。 これまでは成田を除く、専用端末がある羽田や関西など国内7空港でのみ利用できた。今回、福祉ソリューション事業を手がけるプラスヴォイス(本社・仙台市)が協力。2次元コードを使う形に改め、10月からANAの国内線が就航する空港すべてで利用可能になった。 手話が使える旅客は、自身のスマートフォンで2次元コードを読み取ることで、サービスを利用できる。コードはANAの空港係員の業務端末で提示してもらうほか、成田や羽田など主要8空港では、専用カウンターにも設置した。 ANA成田エアポートサービス旅客サービス部の馬場口奈緒スーパーバイザー(25)は「会話なので、筆談よりも伝わりやすく、時間も短縮できる」と話す。ANAは「お手伝いが必要な方に安心して快適に空の旅を楽しんでいただけるよう、サービスの充実と向上に取り組む」としている。(小林誠一)
朝日新聞社