岩田剛典が考える、いいパフォーマンスの秘訣「大切なのは、自分自身が楽しめる現場づくり」
家でずっとラップの練習をしていました(笑)
3度目の福田組。ただ、今回のミカエルに関しては、どう演じればいいのか最初はかなり戸惑ったそう。 「実は、台本ではそこまでギャグというギャグが書かれていないんですよ。ミカエルも普通にやったら普通になっちゃうなと思って。周りを見れば、主演のお二人はもちろん、かっくん(賀来賢人)に勝地(涼)くんと濃い人たちばかり。この中でどうやったら爪痕を残せるのか。今までの福田組の中でもいちばん考えました」 そこで飛び出したのが、ミカエル渾身の名場面。突然、ラップを刻み出すというトンチキシーンがあるのだが、実はこのラップ、岩田のアドリブだという。 「本気でふざけられるのはあのシーンだけだなと思って。何かかき回したいなと思って、家で延々考えた結果、出てきたのがラップでした。家でずっと台本片手にラップの練習をしていたんですけど、あの姿はちょっと人には見せられないですね(笑)」 ラップという飛び道具を忍ばせ臨んだ本番当日。段取り(カメラを回さず行う、動きの確認のためのリハーサルのこと)でその隠し球をついに披露するときがやってきた。 「もうボツになってもいいやというつもりで思い切りやりました。そしたら、監督も何も言わなくて、そのまま本番になっちゃって。あ、これで行くんだって、僕もそこでようやく腹を決めました(笑)」 岩ちゃんの王子様イメージを打ち破るラップシーンは、ぜひ劇場でのお楽しみに。映画館を沸かせるシーンになることは間違いない。 「たぶんこれが福田さんと初めてのお仕事だったら、ああいうことはできなかったと思う。今まで2本、福田さんの作品に出させてもらって、現場の雰囲気を知って、他の出演者のみなさんがやっていることを見てきたからこそできたものだと思います。最後にハケる前に、もう1回、ミカエルが追いラップをするんですけど、あそこはもう勝手に僕の体が動き出していました(笑)」 もともとふざけるのは大好き。グループのメンバーといるときも、岩田からイラズラを仕掛けることも日常茶飯事だ。 「自分で言うのもアレですけど、結構変というか、変態的なところはありますね(笑)。今こうやって真面目な話をしていますけど、ここでいきなり僕が全然違うおかしなことを言い出したら、目の前の人はどういう反応をするんだろうとか。そんなことをよく想像していたりします。怖いもの見たさといったらいいのか。真面目なときほど、ふざけたい自分が僕の中にいて、その衝動にいつも駆られています(笑)」 岩田にとって、コメディはまさにそんな衝動のリミッターを外せる場なのだ。 「俳優としていろんな作品に出させていただいていますが、普段見せたことのない一面を見せられる機会は、そう多いわけではない。だから、こういう役をいただけるのは自分の引き出しを開けてもらっているようなところがあって、純粋にうれしいですね。これからもどんどんかき回すような役をやっていきたい。今回も、この作品でしか見られない僕がいると思うので、ぜひ楽しみしてほしいです。あ、でもどうだろう、ファンが減らないか、そこは心配ですね(笑)」