何をしているか分からない地方議員、「いてもいなくても同じ」34.9%に
住民の生活や地域の課題解決の頼もしい組織に
今後地方議会はどのような姿を目指していくべきか ── 。同研究所の中村健事務局長は「議会は地方自治にとって自治の要、扇の要的な役割をする組織」と話します。「地域の予算や政策を決定する権限を持っていることが議会の最大のポイント。是非、この権限を最大化するような活動をしてほしい」。 中村事務局長は福島県会津若松市議会が除雪に関して、1人暮らしのお年寄りのために行った取り組みを例に挙げます。「私道は住民が雪かきしなければならない。でも重くて雪かきできず、買い物にも病院にも行けず困っていたおばあさんの話を市議会報告会、意見報告会で聞き、議会が動いた」。議会が先導して、民間企業や町内会と話し合いをもち、私道を除雪するボランティアサポート隊を結成、のちに制度化されたといいます。 行政の法の網をくぐりぬけてしまうような地域の課題、そして住民にどのようなニーズがあるのか、「丁寧に、真摯」に吸い上げ、確認する作業を行う。加えて、知事ら首長が提案している政策や予算案が、本当に一番適切な手法なのかどうか、議会独自の目線で調査分析をする。そして、きちんと議員間で話し合い、住民代表として“最適解”を結論づけていく。 「こうした議会本来の役割を果たすため、これまで以上の住民との向き合い方、調査分析のやり方、議員同士の対話の仕方を是非磨いてほしい。こういうことができてくると、議会は住民に一番近い存在、住民の生活や地域の課題を解決してくれる頼もしい組織になるのではないか」。地域のために本当に役立つ議会とは何か。それぞれの議会が自ら考え、自ら動くことが求められています。