リズムを掴めばひたすら楽しい! ランチア・フルビア・クーペ(2) 英スタッフを夢中にする活発さ
ボディは再塗装 タイヤ交換で見違えた操縦性
イタリアから運んできた、ランチア・フルビア・クーペ・シリーズ3 1.3S。ブルー・アニャーノのボディは、スコットランド・エジンバラのGBLモーターズ社へ再塗装に出した。事前に、自分でフロアの古い防音材は外し、接着剤の汚れなどは磨いておいた。 【写真】ラリーで活躍したV4エンジン フルビア・クーペ 現代技術で復活するランチア ベータも (102枚) ドアの内装は、少し前にイタリア製の新品に張り替えた。シートベルトには、安全性を考え慣性リールを追加してある。新しいカーペットや防音材は購入済み。天井の内張りも確保しているが、まだ自宅の物置にしまったままだ。 購入時に履いていたアルミホイールはカッコ良かったが、幅がオリジナルより広く、タイヤがフェンダーに擦れることがあった。タイヤも古かった。現在は、前オーナーから譲り受けたスチールホイールを磨き、ミシュランXASタイヤを組んでいる。 サイズを落としたタイヤへ交換したことで、ステアリングの感触や乗り心地は大幅に改善した。グリップ力も高くなり、操縦性が見違えた。 グレートブリテン島を走り出して起きた機械的な不調は、ブレーキ・マスターシリンダーからフルードが漏れたことくらい。2021年に交換している。
快活に回るV4エンジン スピード感は実際以上
というわけで、ほぼ仕上がった自分のフルビア・クーペで、今回はスコットランドの道を巡ってみようと思う。モデル名の由来となった、イタリア・フルビア街道のつもりで。 1298ccのV4エンジンは、独特の吸気音を奏でながら快活に回る。僅かに、金属的な響きも重なる。大人2名と撮影機材を載せ、クルマの重さは2割増しだが、加速の積極性には改めて驚く。ボディの小ささとサウンドの明瞭さで、スピード感は実際以上だ。 1速が横に飛び出た、ドッグレッグ・パターンを辿るシフトレバーはストロークが長い。それでも、ゲート間の動きは滑らか。ギア比はショートで、程よくクロスしている。3速と5速を行き来するのが気持ちいい。 0-100km/hダッシュは、1974年にAUTOCARが実施したテストでは11.9秒と、際立つ数字ではない。市街地では、5速のままでは苦しい。110km/hでエンジンは4000rpmに迫り、正直なところうるさい。高速道路の巡航は、少し疲れる。 だがスコットランドには、ラリーのスペシャルステージにも望ましいような、手応えのある一般道が多い。絶景も拝めるし、フルビアにぴったりだと思う。