収入ゼロで年金を払えず、ついに「黄色い封筒」が届きました。このまま放置すると「差押え」ですか? 無収入なら支払い免除などできないのでしょうか…?
日本国内に居住の20歳以上60歳未満のすべての人が加入する国民年金には保険料の支払いが義務付けられており、支払いを滞納すると支払いの催告状が届きます。しかし、なんらかの理由があって支払いを忘れていた、収入の問題で支払えないといった人もいるでしょう。 今回は、国民年金保険料の支払いを滞納した場合に届く黄色い封筒の意味や、年金保険料を支払えないときの対処法について解説します。 ▼年金機構から「差し押さえ」の手紙が届いた! 口座残高「ゼロ円」で差し押さえる財産がなければ大丈夫?
黄色い封筒はすぐに差押えではない
国民年金保険料の支払いが滞ると、特別催告状が送られてきます。その後「最終催告状」「督促状」「差押予告通知書」などが届き、無視していると最終的に強制執行で財産を差し押さえられます。 国民年金保険料を滞納すると届く黄色い封筒は督促状ではなく、日本年金機構が発行する「特別催告状」と呼ばれる請求書です。 特別催告状の時点では差押えには至りませんが、強制執行の少し手前の状態を意味します。支払いを忘れていただけなら、早急に支払わなければなりません。 ■特別催告状は3回届く 国民年金の特別催告状は3回に分けて届けられ、最終催告状、督促状と続き強制執行に移行します。今回のケースは黄色のため、特別催告状の第2段階でしょう。 未納者は未納付期間に応じて、図表1のように分類されます。 図表1
日本年金機構 国民年金保険料収納事業民間競争入札実施要項 を元に筆者作成 図表1のうち、特別催告状が届くのは、新規未納者・短期未納者・中期未納者の3段階です。長期未納者は24カ月以上の滞納者にあたり、最終催告状が発行されます。 ■国民年金の納付期限 国民年金保険料の納付期限は、原則として対象月の翌月末です。保険料を納めなかった場合、まず電話による納付の督励が行われます。特別催告状の発行も同時に行われるため、場合によっては支払いと行き違いで連絡がくることもあるでしょう。
収入がゼロで年金を払えないときの対策
ここからは、滞納している国民年金保険料を支払えないときの対処法を、収入のめどが立っているケースとそうでないケースに分けて解説します。支払い能力の有無で対応が異なるため、自身の状況に応じて適切に判断しましょう。 ■収入のめどが立たないなら免除制度を利用 今後も収入のめどが立たなく、支払える余力がないなら「保険料免除制度」によって支払いを免除される可能性があります。所得が一定額以下、または失業により収入がゼロの場合、免除制度の適用が可能です。免除制度には申請が必要で、市(区)役所・町村役場の国民年金担当窓口にて手続きを行わなければなりません。 ただし「免除」といっても、支払いの全額が免除されるとは限りません。免除額は「全額・3/4・1/2・1/4」のいずれかが適用されます。 また、免除された金額に応じて将来の年金受給額は減少します。原則として不足分を追納しなければ、受給額は元に戻りません。 ■収入の見込みがあるなら納付猶予制度を利用 収入があり、かつ一定額以下の所得の場合は「保険料納付猶予制度」を利用できますこちらの制度も申請が必要なため、市(区)役所・町村役場の国民年金担当窓口にて手続きを行いましょう。 ただし、納付の猶予期間分は年金の受給期間に数えられますが、滞納分を支払った後に猶予期間分を追納しないと受給額が減少します。
公的年金はサポート制度がある
国民年金は原則として保険料の支払いが義務付けられていますが、収入がゼロまたは一定額以下の場合に限り、支払いが免除または猶予の制度があります。この免除制度や猶予制度を利用するには、申請が必要です。特別催告状が届いているなら、急いで市(区)役所・国民年金担当窓口などで相談・手続きを行いましょう。 出典 日本年金機構 国民年金保険料 日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度 日本年金機構 国民年金保険料収納事業民間競争入札実施要項 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部