「富裕層向けビジネスで優位性がある」高島屋の"金融サービス"がメガバンクや証券会社の脅威になりうるワケ
■メガバンクや大手証券会社の脅威となる 金融を百貨店・商業開発に次ぐ第3の柱とする高島屋では、外商により得られたシニア・富裕層の顧客基盤と経験値を生かしながら、資産運用や資産管理などの金融サービスを提供し囲い込みを進めている。 一方、新興富裕層といわれる30代から40代の都心に住むキャッシュフローリッチや、既存富裕層の次世代にあたる若年富裕層だけでなく、デジタルネイティブ世代など若年層の取込みが課題となっている。このため、スゴ積みやネオバンクなど独自の金融サービスを提供することで、顧客の利便性や満足度を高めて顧客を囲い込むことに加え、金融事業からの収益拡大を進めている。「消費から投資への社会」が進むなか、メガバンクや大手証券会社など既存の金融機関にとっても、高島屋の金融サービスの拡大は脅威となろう。 ---------- 高橋 克英(たかはし・かつひで) 株式会社マリブジャパン 代表取締役 金融アナリスト、事業構想大学院大学 客員教授。三菱銀行、シティグループ証券、シティバンク等にて銀行クレジットアナリスト、富裕層向け資産運用アドバイザー等で活躍。2013年に金融コンサルティング会社マリブジャパンを設立。世界60カ国以上を訪問。バハマ、モルディブ、パラオ、マリブ、ロスカボス、ドバイ、ハワイ、ニセコ、京都、沖縄など国内外リゾート地にも詳しい。映画「スター・ウォーズ」の著名コレクターでもある。1993年慶應義塾大学経済学部卒。2000年青山学院大学大学院 国際政治経済学研究科経済学修士。日本金融学会員。著書に『銀行ゼロ時代』(朝日新聞出版)、『いまさら始める?個人不動産投資』(きんざい)、『なぜニセコだけが世界リゾートになったのか』(講談社)、『地銀消滅』(平凡社)など多数。 ----------
株式会社マリブジャパン 代表取締役 高橋 克英