大規模な災害では県の垣根を超えた広域応援が必要不可欠です。今年１月に発生した能登半島地震で全国各地の消防が「緊急消防援助隊」として活動したことを踏まえ、広域応援のあり方を考える講演会が１１日、県庁で行われました。 「緊急消防援助隊」は大規模な災害が発生して地域の消防機関で対応が困難な場合、被災地からの要請を受け全国の消防本部や航空隊が駆けつけます。 栃木県でも２００３年のブリヂストン栃木工場火災や２０１７年に那須で起きた雪崩事故、２０２１年に足利市で起きた山林火災で応援を受けています。 講演会には県内の消防関係者が参加し、栃木市都賀町出身で消防庁・広域応援室の土屋直毅室長が「緊急消防援助隊」の現状や課題について講演しました。 土屋さんは、能登半島地震の発生からおよそ２０分後には消防庁長官が緊急消防援助隊の出動を求めていて、その後すぐにそれぞれの都道府県に要請を行ったと説明しました。 一方で課題となったのが「受援」、支援を受け入れる体制で、拠点となる行政の施設が被災して使えなかったり、職員が速やかに集まれる環境にない中で各地からの応援部隊への対応も思うようにいかなかったと指摘しました。 講演に続いて大雨による被害を想定したグループワークも行われ、参加者たちが県内５つのブロックでの情報共有や「緊急消防援助隊」を受け入れる際の手順などを確認し合いました。