水を抜いたのは半世紀近くぶり 国史跡「龍岡城跡」の堀の内部、普段は水の中の石垣から見つかったのは歴史の痕跡?
長野県佐久市にある国史跡「龍岡城跡」で15日、堀の内部の見学会が開かれた。普段は水が張られているが、現在は底に堆積した土砂を取り除くため、半世紀近くぶりに水を抜いている。県内外から参加した29人は説明を聞きながら、メモを取ったり、写真を撮ったりして楽しんだ。 【写真】堀のある龍岡城跡は「五稜郭」。空から見ると確かに星形
中を歩くことができる貴重な機会に見学してほしい―と市教育委員会が一般向けに初めて企画した。堀は、延長約450メートル、深さ約2・4メートル。一度は埋められたものの、1933(昭和8)年に旧陸軍が掘り直し、復元したものが現在の姿だという。
市教委の職員は、水を抜いたことで石垣の一部に赤い色で数字や記号などが記されているのが見つかったことを紹介。書いた目的や時期などは分かっていないとした上で、「これから調査をするので、いつの文字か分かるかもしれない」と述べた。
城跡内にあった市田口小学校(2023年3月で閉校)の卒業生、中村みづほさん=長野市松代=は「この辺りで遊んでいたのが懐かしい。知らないこともあったし、来られてよかった」。近くに住む細谷渡さん(70)は「石垣に文字が書かれているのは初めて聞いた。実際に見られて感動したし、勉強になった」と話した。