スズキの新車「フロンクス」はホンダ「WR-V」と真っ向勝負? 試乗で確認
スズキがインドで生産する小型SUV「フロンクス」を間もなく発売すると聞いて、真っ先に思い浮かんだのが同じくインド産のホンダ「WR-V」だ。WR-Vの日本販売は絶好調の様子だが、サイズ感で(おそらく価格でも)ライバルとなるフロンクスはホンダの牙城を崩せるのか! プロタイプに試乗して出来栄えを確認してきた。 【写真】クセ強めだけどカッコいい? フロンクスの走行シーンを横から見る
■フロンクスはWR-Vより一回りコンパクト フロンクスのボディサイズは全長3,995mm、全幅1,765mm、全高1,550mm、ホイールベース2,520mm。WR-Vより30cmほど短く、3cmほど狭く、10cm低い。デザインはルーフが後方に向かってなだらかに下がるクーペSUVのスタイルだ。
キモは全高で、日本の機械式駐車場にぴたりと収まるサイズとなっている。このあたり、けっこう意識して開発したのかもしれない。最小回転半径は4.8mで、こちらも日本の道路事情にジャストフィットだ。
フロンクスは2023年4月にインドで発売し、すでに中南米や中近東、アフリカ諸国などでも販売中。スズキの世界戦略を担うグローバルカーという立ち位置だ。日本仕様には、 先進安全装備や4WDモデルを追加。市場の要求にしっかりと対応しているという。 ■デザインはアクが強め! コンパクトSUV市場にライバルは多いが、どうやって存在感を発揮するのか。デザインを担当したスズキ 四輪デザイン部 先行デザイン課の増田茜氏は「同じセグメントのSUVには(WR-Vやヤリスクロス、ライズ/ロッキーなど)ライバルが多いのですが、後発になるフロンクスは力強くそれでいて都会にもなじむクーペスタイルにすることで、それらに埋没しないよう、しっかりと別の個性を出してみました」とおっしゃる。
その通り、エクステリアはフロントのシャープな3連デイタイムライトとその下のボリューミーな膨らみの中に3角形に配置した楕円形のヘッドライト、グリルセンターの大きな「スズキ」エンブレム、サイドのブラックフェンダーの上部に2段の出っ張りを持つ「ダブルフェンダー」、リアの「く」の字型3連ライトなど、けっこうアクの強いデザインを散りばめている。ただし、それらに統一感があるので全体としては破たんがなく、ユニークで個性的なカタチに仕上がっている。