家族が認知症?“円満に”検査を促す「誘い方」 「病院になんて行きたくない」と言われたら?
Q:認知症の検査で親を病院に連れていくには? A:嫌がる人を病院に連れていくのは難しい 認知症の診断を受けるメリットはいくつもあります。できれば早めに病院で検査を受けたいものですが、「自分は認知症かもしれない」と薄々感じていても、病院に行くとなると抵抗を感じるものです。 特に高齢の人は「精神科」などと言われると、「自分は気が狂ったと思われた」と拒否してしまうかもしれません。 ■「ウソをつく」ではなく「物語を作る」
私はよくご家族に「親御さんが受け入れやすいような『物語』を作りましょう」と話します。 たとえば「私、最近頭痛がひどくて病院に行こうと思うのよ。お母さんついてきてくれる?」と言って、いっしょに脳神経外科やもの忘れ外来を受診するのです。 あるいは「健康診断の案内が来ているから病院に行こうよ」と誘うのもいいですね。「親にウソをつくなんて」と考える人もいますが、そうではありません。 認知症の人の世界を大切にして、それに見合う物語を考えるということです。
いちばん身近な人には「イヤだ」が言いやすいものですから、遠くに暮らす息子などがいれば、その人に「いっしょに病院に行こう」と誘ってもらうのもいい方法です。 「病院になんて行きたくない」と言われたら? (返答例1)「かかりつけ医の先生のご紹介だよ」 まずはかかりつけ医に相談を。かかりつけ医から「最近忘れっぽいことが増えたなら、ここを受診してみませんか」と提案してもらうとスムーズです。紹介状も書いてもらいましょう。
(返答例2)「精神科じゃないよ。『もの忘れ外来』だよ」 高齢者にとって「精神科を受診する」のはハードルが高いかもしれません。「もの忘れ外来」「老年内科」「心療内科」など、受け入れやすい名前の診療科を受診しましょう。 (返答例3)「私の受診につきあってくれる?」 事前に受診する病院に電話をして認知症の検査を受けさせたいと伝えておき、医師から「お母さんもいっしょに検査しましょう」と提案してもらうといいでしょう。