蔦哲一朗監督、新作映画は「8年かかった」牛を貸し出す故郷の慣習題材「五感研ぎ澄ませて見て」
蔦哲一朗監督(40)の新作「黒の牛」が3日、都内で開催中の東京国際映画祭アジアの未来部門で上映された。 「8年の歳月がかかった」と笑みを浮かべた顔は、池田(徳島)を春夏3度の甲子園優勝に導いた祖父・文也さんを思い起こさせるように丸みを帯び、8年の年輪をうかがわせた。 故郷・徳島や香川県にあった、農家に農耕用の牛を貸し出す慣習「借耕牛(かりこうし)」が題材で「人間だけ見ていたら良いという映画ではなく、牛が出てくる。背景の自然も主役。五感を研ぎ澄ませて見て欲しい」と訴えた。