辺野古の軟弱地盤改良きょう着工、防衛省が沖縄県に伝達…玉城デニー知事「強度の疑義拭えない」
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設計画で、防衛省は27日、大浦湾側にある軟弱地盤の改良工事に28日に着手すると発表し、沖縄県にも伝達した。国は昨年12月28日、地盤改良に伴う設計変更を県に代わって承認する「代執行」を行い、準備を進めていた。
同省沖縄防衛局によると、対象の海域に「トレミー船」と呼ばれる作業船を用いて砂をまき、海底をならす作業を行う。その後、鋼管を打ち込んで、内部に砂を流し込む手法などで約7万1000本の砂杭(すなぐい)をつくって地盤を改良する。軟弱地盤は最も深いところで海面から約90メートルに及んでいるが、国は約70メートルまでの地盤改良で「安定性を十分確保できる」としている。
移設工事を巡っては、埋め立て区域のボーリング調査で約66ヘクタールの軟弱地盤が見つかり、国は2020年、設計変更を県に申請した。県が承認を拒否して法廷闘争に発展し、昨年9月の最高裁判決で県の敗訴が確定した。その後も県が拒み、国が代執行を行った。
国は今年1月、大浦湾側の海域で工事を再開し、護岸造成を進めていた。地盤改良後は土砂で埋め立て、30年代半ばの移設完了と飛行場返還を目指す。
玉城デニー知事は27日、報道陣に「強度が保たれるのか疑義を拭えない。安定性が保たれているかを注視していく」と話した。