AI時代「日本の本当の強み」は超意外すぎる“ここ”にあった!孫さんにつんく♂が聞く「AIで今後どうなるの?」
つんく♂:たしかにそうですね。 孫:無駄をなくして本当にクリエイティブな部分に時間を使えるようになるから、クリエイターやサイエンティストにとって、AIは本当にいいことしかないと思います。 逆をいえば、AIに取って代わられる仕事をしているような、中途半端なクリエイターやサイエンティスト、ビジネスマンは困るでしょうね。 だから、つんく♂さんがまさにご著書に書いていたように、AI時代って、プロを極めていかないと通用しないと思います。
■AI時代に、英語ができなきゃダメですか? つんく♂:AIが発達していく社会で、ますますボーダレスにもなっていくでしょうか。そうなると、これからは英語ができなきゃダメですか? たとえば、僕はハワイに住んでいるけど、自分の頭の中で考えるのは日本語で、英語は何となくやりとりできるくらい。孫さんはどうですか? 孫:英語はビジネスのコミュニケーションもできるし、1時間ぐらいの講演だったらできると思います。ただ、言語はAIにまったく影響を受けないから、英語ができなきゃダメとか、日本語が廃れていくということはないでしょうね。
つんく♂:それは英語や日本語に限らず? 孫:翻訳や通訳の精度がこれからも、ものすごく上がっていくでしょうから、訳せないほどマイナーな言語でないかぎり問題ないと思います。 誰でも物怖じせずに他国の人と話ができるような世界に、ますます進んでいくと思います。 ■「訳せない」部分に「日本の強み」がある 孫:そういえば、僕は自分の英語力や翻訳ツールの精度が上がるほど、むしろ「日本的な考え方」や「うまく翻訳できない表現」に気づくようになってきたんです。
これは訳せないし、いくら言葉で説明してもたぶんピンとこないだろうなという感覚がたくさんある。それに気づいたときに、日本人の感性って本当にすごいと気づいて、ますます日本語や日本のコミュニケーションが好きになりました。 つんく♂:食べ物もそうですよね。和食にしか出せない「そうそう、このうま味!」っていう感覚、ありますよね。 孫:海外にいると、このうま味を理解できる日本に生まれてよかったって、ますます感じますよね。