金メダリスト小平奈緒さん生んだスケートリンク、存続の危機 市の財政再建で施設再編の優先対象に
茅野市の「ナオ・アイス・オーバル」、25年夏までに存廃含め方針決定へ
長野県茅野市行財政審議会は11日夜開き、400メートルリンクを持つ市国際スケートセンター(ナオ・アイス・オーバル)について、市は2025年夏までに存廃を含む今後の在り方を示す方針を明らかにした。財政再建を進める市が施設再編などを優先して考える対象の一つ。審議委員が24年度中に現地を視察した上で、今井敦市長に答申する。 【写真】「ナオ・アイス・オーバル」で子どもたちに指導する小平奈緒さん
市はこの日の審議会で、スケートセンターを含む複数の項目について審議会で議論するよう提案。4月以降に開く次回の審議会では、スケートセンターに加え、24年度に検討を行う対象施設をどこにするかを決めるという。
小平さんが練習を積んだリンク、五輪「金」受け付けられた愛称
スケートセンターは1989年開設。2018年の平昌冬季五輪スピードスケート女子500メートルで金メダルを獲得した茅野市出身の小平奈緒さんらが練習を積んだリンクで、平昌冬季五輪と同じ年に小平さんにちなむ現在の愛称が付けられた。
諏訪地域のスケート施設を巡っては、岡谷市にも屋外スケートリンク「やまびこ国際スケートセンター」があり、岡谷市は施設の民間譲渡や休止も視野に25年度までに方針を出すとしている。
市の「貯金」は27年度に不足の恐れ、公共施設の再編進める
茅野市の財政は、27年度予算の編成時に市の貯金に当たる「基金」が不足する可能性があり、市は昨年夏、「優先改革事項」をまとめた。公共施設については、スケートセンターの在り方の他、公立小学校の再編や地区コミュニティセンターの再編などを示している。