外野守備は球界トップクラス…中日の成長株に「糸井嘉男と重なる」
投手から野手に転向して1755安打
香川・三本松高で甲子園出場なしも投打の二刀流で活躍。最速144キロの直球を投げ、高校通算26本塁打とプロのスカウトの注目を集めた。JFE西日本では3年目まで投手としてプレーし、4年目に外野手に転向。攻走守3拍子そろった好素材として評価を高め、中日にドラフト6位で入団した。 抜群の身体能力がプロですぐに通用するとは限らない。現役時代に首位打者、盗塁王を獲得し、ゴールデン・グラブ賞を7度受賞した糸井嘉男だが、近大からドラフト1位で入団した2年間は投手として伸び悩み、プロ3年目の06年に野手転向。猛練習を積み重ね、球界を代表する外野手に上り詰めた。 糸井は週刊ベースボールのインタビューでこう振り返っている。 「2ケタ勝利はしたいと、その気持ちで入りましたし、ずっと思っていましたが、願いはかないませんでした。今思えば、自由獲得枠というプレッシャーはなくて、プロとしての気持ちがなかったと思いますね。そのあとに野手転向を言い渡されてから、このプロ野球界の本当の厳しさを知りました。約2年で投手を失格になりましたから。そのときから気持ちを入れ替えて、死に物狂いでバットを振りましたね」 「表現が難しいですが、すんなりいかなかった19年。すぐに活躍できた人間ではなかったですから。苦しい思いもしましたので、でもそのほうがよかった、というか奥深い野球人生であったのかな、と。波乱万丈というところまでは行っていないと思いますけどね」 糸井が外野の定位置をつかんだのが28歳。通算1755安打を積み重ねた。三好はチャンスをつかみ、ステップアップできるか。開幕がゴールではない。オープン戦の好調を持続し、シーズンでサクセスストーリーを切り拓く。 写真=BBM
週刊ベースボール