<甲子園交流試合・2020センバツ32校>創成館4-0平田 創成館、つなぎ封じる 万全の3投手リレー
◇第2日(11日・阪神甲子園球場) 創成館が3投手の継投で零封勝ち。左腕・白水は要所を締め、六回からは右腕・坂口と左腕・前田で計1安打に封じた。バックも無失策で支えた。打線は三回に田中の中前打で先制し、八回に猿渡の適時打などで突き放した。平田は3安打と打線が振るわず、二回の先制機の走塁ミスも響き、右腕・古川を援護できなかった。 【真夏の熱闘】交流試合の写真特集はこちら <創成館4-0平田> わずか3球で、流れに乗った。六回から登板した創成館の2番手・坂口。3回無安打で零封リレーの流れを作り「後ろに投手がいる安心感があったが、最後まで投げきるつもりで投げた」と振り返った。 先発のエース左腕・白水も2安打しか許さず、四、五回は3者凡退に抑えていた。だが、突如制球を乱す懸念があることから「そろそろ四球が続くかもと思った」と稙田監督。平田打線が3巡目に入るタイミングで、投手交代に踏み切った。 昨秋は肩の故障で公式戦に登板できなかった坂口だけに、大舞台の緊張を感じながらマウンドに向かった。それでも先頭の1番・保科に右横手から3球、直球を続けた。すべて高めのストライクぎりぎりを狙い、とりわけ3球目の決め球は自己最速を更新する138キロ。前の打席で中前打を放っていたリードオフマンに一度もバットを振らすことなく三振に仕留め、「先頭を抑えられたのが大きかった」。その後も落ち着いたマウンドさばきで、九回は前田に引き継いだ。 継投が持ち味のチームには、3年生だけで11人もの投手がひしめく。競争は激しく、坂口も前田もセンバツではメンバー入りが危ぶまれていたが、力をつけて投手層を底上げした。「きょうは3人を使う予定だった」と稙田監督。四球で1人走者を出したことを悔しがった坂口だが、十二分に役割を果たした。【尾形有菜】 ◇平田、充実の初聖地 エース変化球駆使し七回まで好投 もう、限界だった。4点目を奪われた平田のエース古川は、さらに10本目の安打を浴びたところで八回途中、マウンドを降りた。「疲れがきていた。甲子園は日差しが強かった」。球数も100球を超え、力尽きた。 序盤から強気に内角を突いた。球威のない右腕は、己が生きる道を心得ている。四回1死三塁のピンチでは、創成館の5番・長田を内角攻めで追い込み、最後は低めの変化球で空振り三振に仕留め、後続も断った。七回までは2失点の好投。植田監督も「逆球も少ないし、(野手が)ポジショニングを取った所に打球が来ていた」とエースをたたえた。 春夏通じて初の甲子園だった今春のセンバツは新型コロナウイルスの影響で中止。地元育ちのエースは期待を感じていたからこそ、中止の決定に「目の前が真っ暗になり、絶望感があった」。それでも、黙々と走り込みの量を増やすなどして下半身を強化。交流試合の開催が決まると「最後の一戦」に備えてきた。 憧れの舞台で結果は出せなかったが、「やりきった気持ちの方が大きい」。終盤まで健闘したエースの表情は、とてもすがすがしかった。【新井隆一】 ……………………………………………………………………………………………………… △午後0時46分開始 平田(島根) 000000000=0 00100012×=4 創成館(長崎)