「親子出勤ルーム」設置やSNS発信に女性社員のアイデア 「グッドキャリア企業アワード」受賞の建設会社「サカイエステック」【福井】
福井テレビ
従業員のキャリア教育に先進的に取り組む企業や団体として、福井市の建設会社「サカイエステック」が国から表彰を受けました。男性の割合が多い建設業界で、この企業が注力したのは「女性の働きやすさの追及」です。 11月27日、東京でグッドキャリア企業アワードの表彰式が行われました。グッドキャリアアワードとは、従業員のキャリア教育に先進的に取り組む企業や団体を国が表彰するもので、2024年は全国で15の企業や団体が表彰を受けました。 この賞が始まった2013年以降、県内から初めて2社が受賞を果たしました。 このうち、福井市の建設業「サカイエステック」は、男性比率の高い建設業界の中で「女性活躍推進チーム」を立ち上げ、育児支援など女性が働きやすい環境を整備したことなどが評価されました。 福井市内に本社を構えるサカイエステックでは、約60人の社員が働いています。女性社員6人全員が所属する女性活躍推進チームは、働きやすい環境を目指して週に一回のペースでミーティングをし意見を交わします。 これまでに、従業員から「ダサイ」と言われていた作業服を変更した他、採用活動を強化するためのSNS発信や、育児支援のために親子出勤ルームを導入するなど成果を上げ、女性社員の意見をまとめる場となっています。 これまで仮眠室として使っていた部屋を2年前に改装し作った「親子出勤ルーム」は、子供を遊ばせながらデスクワークができる広々とした空間で、女性社員からの評判も上々です。 チームのリーダー黒川絵理さんは「急に学校が休校になったりすると困る。社長に相談したら、連れてくればいい、となった。普段話している要望を聞いてもらえるという実感がある。女性の意見が通るのは有難い」と話します。 黒川さん自身も、今後のキャリアを見据えて自ら手をあげ、書類整理の仕事から図面を作成する部署に異動を果たしました。「描いたものを現場で職人が対応してくれるのはうれしい。子育てが終わって、もう少し現場に出られるようになったら会社のために稼げる人材になりたい」と意欲を見せます。 黒川さんの上司は「子育て忙しい時は、融通が利くもらえるポジションを用意した。頭を柔らかくして行かないと貴重な人材を失っていくので、人材確保の面でも大事だと思う」と話します。 また山岸康弘社長は「女性が生き生きと会社の中で仕事ができ、友達関係まではいかないが、上下関係が少し緩んで話しやすい関係ができたことはプラス。キャリア形成企業として業界の先駆者としてやっていきたい」と女性活躍推進チームの効果を強調します。 人口減少、人手不足に頭を悩ます企業が多い中、柔軟な対策を次々と生み出すサカイエステックは、中小建設業界全体の課題解決に向け、これからも積極的に変化を続けていきます。
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