「井上尚弥のベストバウト」大橋会長が選んだ1位はどの試合? いま明かす激闘のウラ側「ナルバエス戦は無謀と言われた」「一番警戒した相手は…」
大橋会長がもっとも警戒していた“あのボクサー”
イギリスのグラスゴーで行われたワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)準決勝のエマヌエル・ロドリゲス戦は7位。井上が2回TKO勝ちで一蹴したが、大橋会長がIBFバンタム級王者のロドリゲスを高く評価していたというのは興味深い。 「私はロドリゲスが怖いと感じていました。一番警戒していたと思います。井上がアマチュア時代、ベスト16に入った世界ユース選手権(フライ級)で、ロドリゲスは準優勝してるんですよね。素晴らしいテクニックを持っていたしパンチも強かった。いまでも強敵といえばロドリゲスが思い浮かびます」 井上に勇敢に立ち向かい、ベルトを失ったロドリゲスはその後、IBFバンタム級王座に返り咲く。ところが井上がネリを退ける2日前の5月4日、大阪で西田凌佑にベルトを奪われた。
トップ10圏外も「じつは大きかった」マクドネル戦
順位が前後してしまったが、6位のファン・カルロス・パヤノ戦はWBSSの1回戦だった。劇的な初回KO劇で幕を閉じたパヤノ戦には伏線があったという。それは一つ前の試合、ベスト10には入らなかった2018年5月のジェイミー・マクドネル戦だった。 「ナルバエス戦は歴史的だったと思いますけど、7度防衛したスーパーフライ級時代、井上のタイトルマッチで会場は満員にならなかったんです。バンタム級タイトルを獲得したマクドネル戦も大田区総合体育館で空席があった。パヤノ戦の横浜アリーナからなんですよ、チケットが飛ぶように売れるようになったのは。そう考えると初回KO勝ちしたマクドネル戦のインパクトは大きかったと思いますね」 どのファイトも強烈な印象を残してきたのがモンスターだ。そのキャリアをあらためて振り返ってみると、いくつかのターニングポイントがあったことが分かる。今回の東京ドーム決戦も間違いなくその一つになった。この先、「井上尚弥のベストバウト」はさらに塗り替えられていくだろう。
(「ボクシング拳坤一擲」渋谷淳 = 文)
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