焚き火台の元祖ってホント!? 一生モノとの呼び声高いスノーピーク「焚火台」人気の理由
【人気の理由③】凸凹した地面でも安心して使用できる安定感の高さ
ここまででも十分、耐久性への並々ならぬ情熱を感じたかと思いますが、一方でまたひとつ疑問が。 使ってみるとわかりますが、少し“ガタつき"があるんです。“そこまで自信満々なのになぜガタつくの? もっとガッシリ作らなくていいの?”なんて思ってしまうんですが、これにも狙いが。 「少しガタつくような仕上がりになっているのは、安定性を高めるためなんです。安全に焚き火を楽しむためには、焚き火台が安定してくれないと困ります。そこで『焚火台』のジョイント部分にはあえて余裕を作って、地面の凸凹を吸収できるようにしています」(林さん) どれだけきれいに整備されたフィールドでも、大なり小なり凸凹はあるもの。それに合わせてフレームが動いてくれるので、地面の状況にかかわらず安心して使用できるわけです。 また、仮に熱変形してしまった場合でも、収納時に干渉してしまわないようにする構造でもあるのだといいます。これも長く使い続けてもらうための大事なポイントだったんですね。 「溶接方法を見ると、大体いつ頃に製造されたものかが、なんとなくわかります。キャンプ場でのレンタル品の中に、かなり前の製造モデルが紛れ込んでいたりするとびっくりしますね」 一般キャンパーの中で溶接で製造年代の違いが分かる人、いたりします? 最後に、“なぜこれほどまでに耐久性を重視しているのか”と尋ねると林さんは穏やかな声でこう話してくれました。 「キャンプギアは機能的な道具であるのと同時に、情緒の蓄積を担うものでもあると感じています。たかが道具、されど道具。キャンプ道具は単なる道具ではなく、楽しかった体験や大事な思い出を次の世代に繋げる架け橋になる。だからこそ、一生モノのキャンプギアを作っていくんです」 キャンプギアが繋いでいく、世代を超えた思い出。私がキャンプ場スタッフをしていたときに、まさにそんなエピソードを話してくれたキャンパーさんがいました。一生モノのギアだからこそ生まれるロマンに、アツさを感じざるを得ない。 世代を超えて使っていける。それって実はコスパも最強なのかもしれませんね。
<取材・文/山口健壱>