野山はダニの活動期、高齢者に多い感染例 発熱、下痢、死亡に至る症例も 自然の中では肌の露出に要注意
野外のダニが媒介する感染症が相次いで報告されている。このうち致死率が約27%と高い「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の今年の感染者は、国立感染症研究所によると西日本を中心に約90人と、過去最多の昨年に迫る勢いだ。6~14日の潜伏期を経て発熱や下痢などの症状が出る。 【写真】ダニへの注意を呼びかける啓発ポスター(厚労省HPから)
鹿児島県感染症対策課によると、県内でマダニが媒介するSFTSと診断された患者は、今年は8月25日までで4人。2023年は9人だった。いずれも死亡の報告はなく、70代以上の発症が目立つ。 13~22年の感染者は計65人で、うち同課が把握している死者は16人。最も多かったのは17年で、11人が感染し、4人が亡くなった。発症時期は2~10月と分散しており、感染の経緯は分かっていない。 そのほかダニが媒介する感染症の県内報告は今年8月25日時点で、つつが虫病が19人、日本紅斑熱が3人。60代以上が大半を占めた。 首や頭、手脚をかまれることが多く、痛みを感じにくいためすぐに気づかないこともある。野生に生息するダニは春から秋に活動的になる。専門家は自然の多い場所では肌の露出を避ける服装を勧めている。
南日本新聞 | 鹿児島