楽天とAmazonでは物色のみ 「ECはしご」でもっと安く買う方法
新興ながらAmazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングの存在を脅かすECサイトが人気だ。2024年11月1日に発売した「日経トレンディ2024年12月号」の「2024年ヒット商品ベスト30」では9位に選ばれた。著しい成長の源泉は何か。 【関連画像】出品者のランキングを「見える化」し、利用者の不安を取り除いた ※日経トレンディ2024年12月号より。詳しくは本誌参照 ウッドデッキが約3万円、多機能収納一体型ベッドは約6万3000円、Android14タブレット(10.1インチ)にいたっては驚異の約1万1000円。 こんな圧倒的な安さと取り扱う商品ジャンルの幅広さを武器にした新興サイトが大人気だ。SNSでは粗悪品が届いたという投稿も見られ、賛否が分かれるサービスだが、多くの消費者を引き付けている。 日本には2023年7月に上陸し、多くのユーザーを瞬く間に獲得。24年5月には国内の月間利用者数が約3106万人に達した。これは同期間におけるECサイト利用者数1位だったAmazonの半数近くであり、2位の楽天市場、3位のYahoo!ショッピングに次ぐ4位の数字となる。 そればかりか、Amazonや楽天市場の鼻を明かすかのような消費行動も定着させつつある。 毎日のように開催するタイムセールで来客頻度を高めているが、このサイトはAmazonや楽天市場などと共通する出品者が多く、同じ商品も豊富に取り扱う。大手ECなど他サイトでチェックした商品を、このサイトのセール時に買う「ECはしご」が目立ってきているのだ。 爆売れ中のサイトの名は「Temu(テム)」。中国PDDホールディングス傘下の企業が運営し、2022年に米国で事業を開始すると、23年のNFLのスーパーボウル中継で大量のCMを放送して認知を高めた。 Temuが小売りや卸売りなどの中間業者を省いて価格を抑える仕組みは、同じ越境ECの「SHEIN」などと同様。ただしSHEINが数百円~1000円台のアパレルやアクセサリーが中心で、若い女性をメインターゲットとしているのに対して、Temuの商品はファッションアイテムの他に家電やデジタル機器、家具、オフィス用品など多彩だ。 冒頭で示した通り、驚くような低価格の商品も時折見つかるため、宝探し感覚でサイトを回遊する利用者は多い。