宇宙飛行士の“レジェンド” 若田光一さん 新天地へ!
ちなみに私が宇宙担当の記者として、若田さんとのご縁を得たのは、ほぼ15年前、2009年の3回目のフライトの時。当時は「宇宙に行くこと、宇宙に長期滞在することがニュースとなる時代」でした。いまも宇宙旅行は誰でも行けるわけはありませんし、宇宙での生活は未知のことも少なくありませんが、「宇宙に何をするかが問われる」時代になっています。
おりしも内閣府では「宇宙技術戦略」が策定されました。これは今後の宇宙開発についての優先順位を定めたものです。優先度の高い技術として、宇宙ゴミの除去・低減に使う衛星の開発、月面有人探査車の実用化、有人宇宙旅行を含めた宇宙輸送能力の強化などが挙げられています。大学が企業に対し、今後10年間で総額1兆円規模の支援を目指す「宇宙戦略基金」も創設し、国内の宇宙ビジネスの活性化を目指します。
若田さんの転身は、日本の宇宙開発の裾野を民間に大きく広げていく、その後押しにもなると思います。そして、宇宙産業が自動車のように日本の産業をけん引していくことになるのか、これは国民の関心の高まりもカギを握ると思います。(了)