立候補者の第一声要旨／衆院選・青森県内
15日公示された衆院選で、青森県内の3小選挙区に立候補した11人は各地でそれぞれ第一声を上げた。比例代表東北ブロックの候補者で、同日午前に県内で第一声に臨んだ2人を含め、演説要旨を紹介する。 【1区】 ▼津島淳候補（自民前） 清廉潔白な政治誓う 地方経済の足腰を強くする。取引条件の改善と価格転嫁を進め、中小企業の経営をより良いものに変え、力強い賃上げが県内で幅広く行える状況をつくる。農林水産業は販路開拓や高く売るような商社の機能を強化する取り組みを支える。石破政権が増額する地方創生の交付金をフル活用し、力強い県経済の源にする。 心のゆとりのため社会保障政策を抜本的に見直す。現役世代の社会保険料負担を軽くすることで子育て世帯の負担を軽くする。働く人が増えれば年金を納める人も増えるという循環をつくって持続させ、年金財政の安定につなげて「100年安心」を実現させる。 ルールを守ってあらゆる説明責任を果たし、清廉潔白な政治の約束を誓う。 ▼升田世喜男候補（立民元） 民意で動く政治に 青森県の1～3区で自民党が議席を独占する中、若い女性の県外流出や、農業・漁業の担い手不足などを嘆く声がある。もっともっと、光が当たらない人の声が（国に）届くべき。今回の戦いは、この独占をまず打破することだ。 政治と金もゆゆしき問題。金の力で動かす政治から、民意の力で動く、あなたの声で動く政治に変えられるかどうか、瀬戸際の戦い。（国会議員の）世襲がだめとは言わないが、制限をつけなければいけない。私は地方議会を経験している。県民一人一人の生の声を届けさせてほしい。 野党が頑張りましょうよ。負けたら、政治と金の問題も、現状の暮らしの問題も、全部今のままでいいということになる。 ▼斎藤美緒候補（共産新） まずは賃金引き上げ 物価高騰に賃金も年金も追い付かない。この状況を変えるために政治の役割を果たす時だ。消費税の5％への減税を実現する。誰がどこで何を買っても効果を実感できる。 何よりも賃金を引き上げなければいけない。中小企業への直接支援で、全国一律で最低賃金1500円、月20万円以上を目指す。同時に、労働時間短縮を求めていく。1日7時間に規制し、家族との時間、自分のための時間など自由な時間を拡大する。 お年寄りが大切にされる社会をつくりたい。減らない年金制度をつくり、地域を担う介護職員の給料を引き上げる。軍事費に際限なくお金をつぎ込む政治の在り方を変え、教育、介護、年金を支える。 【2区】 ▼金濱亨候補（国民新） 生活者の手取り増やす 政治を信頼できますか。不正直な政治がまかり通ってきた。これまでと違う正直な政治が必要だ。 青森県民は所得が低い。頑張っても賃金が上がらない。その中で税金や社会保険料が上がっていく。本州最北端の本県は物流コストも上乗せされ、物価は首都圏並みだ。その答えとして、生活者の手取りを増やし、所得を増やす。未婚化、少子化、人口減少という負のサイクルを解決していく。ふるさとの未来をつくるため、課題解決に真っすぐ向き合っていく。 退路を断って向かい風の中歩んできた。正直な政治を貫き、行動で示してきた。青森県のために必要な政策を迷いなく訴えている私に、どうか願いを託してほしい。 ▼神田潤一候補（自民前） 信頼回復へ第一歩 3年前も最初の演説場所は神田重雄像の立つ館鼻公園。第2代八戸市長を務めた曽祖父の描いたビジョンで、八戸港は発展してきたと言われている。この公園は港の発展を見守り、東日本大震災で大きな被害を受けた復興も見守ってきた。 八戸港は今後、カーボンニュートラルの新しい港へと大きな変革を迎える。幾度となく危機を乗り越えてきた八戸港、県南地域の発展がこの取り組みにかかっている。 政治資金問題で強い逆風を感じながらのスタートになった。国民へのおわび、再発防止を誓い、一人でも多くの人に会って訴え、信頼を取り戻す一歩にする。新しい八戸の未来、時代をつくることを託してもらえるよう死力を尽くす。 ▼久保将候補（共産新） 金権政治終わらせる ぶれずに平和と生活を守っていく。今度の選挙は、裏金問題に全く反省のない自民党による金権腐敗政治を終わらせるために取り組んでいく。 戦争か平和かが問われる選挙。防衛力を増やすよりも福祉の予算、社会保障の充実を求めていく。共産党は102年間、一貫して反戦平和、戦争反対を訴えてきた。これからも平和を求めていく。 青森県の問題といえば原発。脱原発を推し進め、再生可能エネルギーへの転換を図っていく。 国民生活が物価高騰などで大変な中、家計応援のため、消費税5％への減税、インボイス制度の撤廃、最低賃金の全国一律時給1500円以上、男女賃金格差の是正を実現させる。 ▼松尾和彦候補（無所属新） 地方の現状、国で訴え 県議4期、三戸町長を2期務めた。7年9カ月の町長の経験でもっと国の関与、国からの支援が大事だと痛切に実感した。 八戸市を中心とした連携中枢都市圏の圏域が一つに、便利になっていかなければこれからの時代に対応できない。連携中枢都市圏としてさらに大きな予算の獲得、支援が必要。また、八戸市は海から始まったまちだが、温暖化で海も変わってきている。青森県、八戸市では、とる漁業から育てる漁業をやっていかないといけない。次の時代に対応できる設備、投資が一番求められている。 教育では大学までの無償化、海外の大学を含めた進学の支援をしていく。地方の現状を国の中に飛び込んでしっかり訴えたい。 【3区】 ▼木村次郎候補（自民前） 地方創生を磨き上げ 今回の総選挙は非常に厳しい戦い。原因は自民党のお金にまつわる問題だ。私自身も当事者としてご心配をおかけし、信頼を損なわせてしまったことを深くおわび申し上げる。（政治資金の）透明性を確保し、国民目線から不断の見直しを行っていく。 石破首相は鳥取県選出で私と同じ日本海側の議員。（「日本創生解散」と名付けたのは）地方創生をさらにブラッシュアップし、地方をさらに力強く支援していく決意の表れだ。 2期7年間さまざまな経験をさせていただいた。引き続き私を未来への架け橋として働かせてほしい。 今回は小選挙区一本での勝負。皆さまの支えなくして勝利はあり得ない。どうか力を貸してほしい。 ▼岡田華子候補（立民新） 地域に希望と安心を 1年前に手を挙げ政治をやりたいと言った。背景に私自身の生活がある。女性が子育てする環境がこんな大変でいいのか。この1年間、青森のいろんなところを回って声を聞いた。「空き家ばっかりになった」「病院がなくなって先生いなくなっちゃうの」「公共交通機関がなくなり、この先、車がない生活」。この地域で暮らすことに希望を持たなきゃいけない。安心感を持たなきゃいけない。それが政治の役割。 もちろん裏金の問題も言う。だっておかしいから。組織的にやってきた自民党が全く反省を見せていない。すごく腹が立つ。だけど私はあえて、主な争点にしたくない。本当に心からこの地域をよくしたい。この一心で12日間戦う。 ▼其田寿一候補（無所属新） 年収500万円実現へ 小さい頃に祖父とこのレンタカー屋の前で、市議や県議の演説をよく聞いた。それがなぜか、誰もここに来なくなった。昔はこの地域選出の先生がいて村の道路や橋を直してくれた。 弘前も五所川原も衰退している。村の人たちがどんどん減っている。地元を離れた人たちが戻ってきて、生活できるように企業をつくり、所得を上げていきたい。企業が給料を上げられないのなら、抜本的に支援して年収を上げていく。目標は500万円。40年間ためれば2億円になり、老後の心配もなくなる。 どの村に住んでいても生活できるように考えるのが国会議員の仕事。生まれてから老いるまで、生まれ育った家で元気に過ごせるよう頑張っていこう。 ▼長坂淳也候補（維新新） 高校授業料を無償化 何としても高校の授業料完全無償化を成し遂げたい。家庭の事情や経済的事情によって行きたい高校に行けない、残念な思いをする人を、この津軽から一人でもなくしたい。 年金の問題も何とかして解決したい。国民年金を満額払っても電気代などを引いたら手元に残るお金は少ない。受給額を増やしたり、お年寄りから消費税を取らなかったりするシステムをつくりたい。1次産業では農家、漁師のために高騰する肥料代や燃料代の補助金拡充を成し遂げる。 国民のために汗を流すのが政治家だ。金もうけのために汗を流している政治家に憤りを覚える。一人一人が一票を行使すれば政治も歴史も、未来も生活も変わる。諦めずに投票して。 【比例代表東北ブロック】 ▼江渡聡徳候補（自民前） 自公連立で経済発展 いよいよ選挙の火ぶたが切って落とされた。このたびの選挙は自民党にとって大変厳しい戦いになる。しかし、継続は力だ。野党からは自民党に対して「裏金だ」という批判があるが、私は一切関係はない。理解をいただき、引き続きの支援をお願いしたい。 この10年間、いろいろなことがあったが、自民党と公明党の連立政権によって、経済は発展し、外交も安定し、厳しい安全保障環境の中において、日本の主権と国民の生命・財産を守り抜くと一生懸命頑張ってきた。引き続き、より良い日本、青森をつくりたい。 ▼高橋千鶴子候補（共産前） 防衛力強化は間違い 裏金問題がまだ解明されていない。企業団体献金を禁止する。金が政治をゆがめる社会を変えなければいけない。 賃上げと同時に、非正規労働者が当たり前の働き方を正す。再生産ができる価格保障と所得補償で農業をしっかりと守り、食料自給率を高める。大学の学費と奨学金の返済は半分に、入学金はゼロにする。 子どもの未来や国民の食料よりも、防衛力強化を優先するこの国は間違っている。憲法9条を持つ国としてやるべきは、力には力ではなく、対話の外交と平和の同盟を広げることだ。
