新卒ですが「何も仕事をせず」1日が終わります…このままだと「減給」されますか?
新卒として入社したばかりの会社の場合、上司からの指示を待つ時間が長くなりがちです。このような場合、「実質的な労働がないため減給の対象になるのでは」と不安になる人がいるかもしれません。 本記事では、労働と減給の関係について、関係する法律を挙げつつ知っておきたい情報をまとめました。
給与に関する労働基準法の規定
労働基準法第24条によると、原則として、給与は労働者に全額を支払う必要があります。労働者が適切な労働をした場合、企業が勝手に減給して給与を少なく渡すことは、基本的にはないものといえるでしょう。 ■減給には原則的に労使の合意が必要 労働契約法第8条には「労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができる」とあります。また、同法第9条によると、企業は「労働者との合意」なしで就業規則を変更し、労働者の不利益になるような労働条件を盛り込むことはできません。 つまり、労働者にとって不利益となる減給をするには「企業と労働者の合意が原則的に必要」と考えられます。 ■労使の合意がなくても減給が妥当なケース 企業と労働者の合意がない場合でも、いくつかのケースでは減給が発生する可能性が考えられます。 例えば、労働者に明らかな非があるようなケースが該当するかもしれません。労働基準法第91条は、企業が就業規則で「労働者に対する減給の制裁を定めること」を認めています。 「企業の秩序を乱したゆえに懲戒処分をくだす必要がある」「人事考課で降格が決まり、それに伴い給与が減ることが就業規則に定められている」などのケースでは、労働者が望んでいなくても減給が実施されるかもしれません。 また労働契約法第10条によると、就業規則の変更により減給などの不利益があっても、「変更理由が企業や労働者にとって合理的」であり、「変更後の就業規則を労働者に周知している」など一定条件が満たされるケースでは、減給が可能であると考えられます。 例えば、減給しないと企業が倒産に陥るようなケースでは、減給が「労働者にとって合理的」であると判断される可能性があります。