ボーイング、司法取引で詐欺共謀罪認める方針 2度の墜落事故巡り
Chris Prentice Mike Spector David Shepardson [ニューヨーク/ワシントン 7日 ロイター] - 米航空機大手ボーイングは、2度の「737MAX」墜落事故に関連する司法省の捜査を決着させるため、詐欺共謀罪について有罪を認めることに合意した。同省が7日遅くに裁判所提出書類で明らかにした。 ボーイングは罰金2億4360万ドルも支払う。司法取引は連邦判事の承認が必要。 2018、19年にインドネシアとエチオピアで起きた墜落事故では346人が死亡。犠牲者の遺族は訴追を求めていた。 ボーイングは墜落事故に絡むソフトウエア機能に関連して米連邦航空局(FAA)を欺こうとした共謀罪で罪を認める。 同社は罪を認めれば国防総省など政府機関との契約ができなくなる可能性もある。それでも、裁判になれば墜落事故に至る同社の決定の多くが世間の厳しい目にさらされる恐れがあるため、司法取引に応じることでそうしたリスクを回避できる。また、スピリット・エアロシステムズ買収計画の承認取得に向けて前進しやすくなるとみられる。 司法省当局者によると、ボーイングは安全・コンプライアンス(法令順守)プログラム強化のため3年間で少なくとも4億5500万ドルを投資することにも同意した。司法省は法令順守を監視する第三者を任命する。 同省は6月30日に同社に司法取引を提案。取引に応じるか、裁判で争うか週内に判断するよう求めていた。 ボーイングの広報担当者も合意したことを確認した。 提出書類によると、司法取引の一環として、ボーイングの取締役が事故で死亡した人々の遺族と面会する。 司法省とボーイングは19日までに司法取引を文書化し、テキサス州の連邦裁判所に提出する予定という。 一方、一部遺族はこの司法取引に反対しており、代理人は別の裁判所提出書類で「遺族はボーイングとの司法取引について、他の刑事被告人が決して受けることのないような不当な譲歩をボーイングに行い、346人の死に対するボーイングの責任を問うものではないと主張する意向だ」としている。