上場廃止の3年前に東京日産コンピュータシステム株を約5万円買っていたらどうなった?上場廃止銘柄を予想して儲けるための勘所
日本には多くの上場銘柄があるが、逆に上場廃止となる銘柄もある。実は上場廃止銘柄には思わぬ投資チャンスがある。上場廃止銘柄で利益を上げるにはどのような点に注目したらよいのだろうか?上場廃止でもうけられる可能性のある銘柄の探し方を解説する。みんかぶプレミアム特集「最強株の選び方」全12回の第8回【上場廃止株】編ーー。
上場子会社の上場廃止が相次いでいる
毎年複数の企業が株式上場を行う一方で、上場企業が上場を廃止するケースも相次いでいます。日本は世界でも珍しい子会社上場を許容しており、多くの子会社上場がなされています。しかしグループ経営の資本効率の観点などから問題の多い子会社上場は、近年では見直しが進んでおり、毎年コンスタントに親会社主導による上場廃止もなされています。 特に海外投資家から不人気な上場子会社は株価が割安に放置されていることが多く、上場廃止の発表時に親会社などから高値での買い付けが行われることも多いです。よって、そこに収益機会を見つけることができます。
東京日産コンピュータシステムは3年間でパフォーマンスが数倍に
2023年も多くの子会社が上場廃止となりました。子会社の上場廃止は、親会社が株式を取得し完全子会社化する、親会社がファンドや事業会社に子会社を売却するなどのケースが多いです。 その中で、8月に発表された東京日産コンピュータシステム(3316)の上場廃止は、発表前の最終株価1063円に対し買付価格は1748円でした(キャノンマーケティングジャパンによるTOB)。TOB発表前より株価が上昇していたため、発表直前と発表時のパフォーマンスは+64.4%です。しかし、同社は長く500円前後の株価を推移していたため、3年前の2018年8月末の株価517円で株を取得すると約3.3倍の投資パフォーマンスとなりました。約5万円が約17万円になっています。
2023年に子会社の上場廃止で大きな利益が出た銘柄3つ
2023年の子会社の上場廃止において、約3年の保有で利益が出た銘柄は下記もあります。 サイバーコム(3852)2023年11月TOB発表 ・2020年11月末1769円→1905円(TOB価格)+7.6% ・親会社の富士ソフトが完全子会社化 ヴィンクス(3784)2023年11月TOB発表 ・2020年11月末1245円→2020円(TOB価格)+62% ・親会社の富士ソフトが完全子会社化 コネクシオ(9422)2022年12月TOB発表 ・2019年12月末1624円→1911円 +17% ・ノジマが伊藤忠子会社の携帯販売会社の同社をTOBで子会社化 子会社の非上場化は、発表直前の水準に比べると株価はプラスで終わることがほとんどです。ただし期間3年の株価で見ると、タイミングによってはマイナスとなるリスクもあるので、銘柄選別やタイミングの見極めは必要といえるでしょう。
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