クルド人らでつくる一般社団法人日本クルド文化協会（埼玉県川口市）が、同協会事務所周辺などで「日本から出て行け」と拡声機を使ってデモ活動を繰り返していた男性の行為差し止めを求めた申し立てについて、さいたま地裁（市川多美子裁判長）は21日、事務所の半径600メートルの範囲内で業務を妨害する行為を禁じる仮処分決定を出した。 　協会側の代理人弁護士が同日、明らかにした。 　申立書によると、神奈川県に住む団体代表の男性らは2月以降、少なくとも8回にわたり、同協会事務所周辺や駅前などで、拡声機を使い「クルド人は日本から出て行け」などとヘイトスピーチを実施。同協会は人格権侵害が繰り返し発生しており、今月24日にもデモ活動を行うと告知しているとして、11日に仮処分を申請していた。 　仮処分決定では、拡声機のほかビラやのぼりなどを掲げて「クルド人は日本から出て行け」「難民は本国に帰れ」などの文言で同協会の名誉を傷つけ、著しく侮辱して業務を妨害する一切の行為を禁じた。 　同協会の事務局長は「裁判所の仮処分決定はきちんと守られるべきだ」とコメントした。