英ダービー馬の次なる目標に「ダートGⅠ」が浮上! オブライエン調教師が〝最上級〟の評価
【TPC秋山響の海外競馬解析】1日に英国のエプソムダウンズ競馬場で行われたGⅠ英ダービー(芝12ハロン6ヤード)はライアン・ムーア騎手が手綱を取ったシティオブトロイ(牡3=父ジャスティファイ)が後方待機から末脚を伸ばし2馬身3/4差で完勝。昨年の欧州最優秀2歳牡馬が5月のGⅠ英2000ギニー9着から鮮やかに巻き返した。 昨年のGⅠデューハーストSを3馬身半差で制した後、オーナー(クールモア)のひとりであるM・テーバー氏が「私たちのフランケル」と14戦無敗の歴史的名馬を持ち出して絶賛したシティオブトロイ。 勝ち馬から17馬身も離された英2000ギニーは信じがたいほど悪いパフォーマンスだったが、これは管理するA・オブライエン調教師いわく「私の調教ミス。馬がフレッシュ過ぎました。ゲートで興奮して、心拍数が跳ね上がった状態で発走してしまった」。今回はそのあたりもケアしながら調整されたことで、シティオブトロイの本来の力が発揮されたということだろう。 昨年のオーギュストロダンに続く連覇で、自身の持つ英ダービー最多勝記録を〝10〟に伸ばしたオブライエン師から「間違いなく、私たちが手がけた最高の英ダービー馬」と最上級の評価を受けたシティオブトロイの次走は未定だが、陣営は有力な選択肢として〝真夏のダービー〟の異名を取る米国の重要なダート戦であるGⅠトラヴァーズS(8月24日=サラトガ競馬場・ダート10ハロン)を挙げている。 ムーア騎手もまだ若さが残るとしているし、父が米3冠馬とはいえ自身はダート未経験と乗り越えるべきハードルは高いが、能力は間違いなく最上クラス。その動向に注目したい。
東スポ競馬編集部