復興のさらなる推進へ決意新た 福島県大熊町の町制施行70周年記念式典 子どもたちが演劇披露
福島県大熊町の町制施行70周年記念式典は7日、町交流施設linkる大熊で行われた。出席者は町の歩みを振り返り節目を祝うとともに、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興をさらに進めていく決意を新たにした。 関係者約100人が出席した。吉田淳町長が町の歴史を報告し、「これからも過去から学び、未来を見据えて復興に取り組んでいく」とあいさつした。その上で、「80年、90年、100年と続く節目が、着実に復興が進んでいると実感できる記念日となり、町民の皆さんと笑顔で祝う日になるよう一層努力をする」と誓った。伊藤忠彦復興相、佐藤宏隆副知事、西山尚利県議会議長、仲野剛町議会議長らが祝辞を述べた。 町発展に貢献した関係者を表彰し、吉田町長が前町長の渡辺利綱さん(77)らに賞状を手渡した。渡辺さんは「これからも苦労が待ち受けていると思うが、着実に前に進んでほしい」と今後のまちづくりに期待した。式終了後、清水寺(京都市)の森清範貫主による記念講演が行われた。
大熊町の義務教育施設「学び舎(や) ゆめの森」の子どもたちは7日、施設内で、町制施行70周年を記念した演劇を披露した。 大熊の歴史や自然を取り入れた「きおくの森」を上演した。子どもたちや教職員約60人が出演した。心に傷を持った男性や、移住して地域になじめない少女らが、他の人々との出会いから生きる力を取り戻す物語を展開した。 町は1954(昭和29)年11月1日、旧大野村と旧熊町村が合併して誕生した。震災と原発事故による全町避難を乗り越え、復興の歩みを進めている。 ▽永年勤続表彰=佐藤順、新長達郎▽町制施行70周年記念表彰=嶋貫光喜、阿部裕美、松岡保夫、東海林雅子、渡辺隆弘、リーキー筆子、吉田裕彦▽感謝状=渡辺利綱、松永秀篤、鈴木光一、井川幸広