魚で求婚、砂利で子育て!絶滅危惧種のユニークな生態を“クッキー”で発信
コアジサシの卵のレプリカを、参考資料として写真におさめる栗田さん。コアジサシと砂利の関係をクッキーで広めたい。栗田さんのコアジサシのクッキー作りが始まりました。
会話をキッカケに“いきもの”への理解を深める
まずは型を作って、『名古屋市野鳥観察館』の職員さんのチェックを受けます。その後、店に店に戻って、コアジサシ本体をどんどん型抜き。翼をたたむと、尾羽はほぼ見えなくなるなど、コアジサシの細かい特徴もクッキーで再現します。
砂利をクッキーでどのように表現するのか悩んでいた栗田さん。包丁を取り出し、生地を格子状にカットし、ひとつずつ潰していきます。「私、もう大分迷走してます。とりあえず、石を目指して作ってます。(普段は)石を目指して作ることはないんですけどね」と、潰した生地をトレイにのせ、オーブンに入れます。
40分後、生地が焼き上がりました。「なんか石ころっぽくなりましたね」と嬉しそうに焼き上がりをみつめる栗田さん。トレイを左右にゆっくり揺らすと、“砂利クッキー”がコロコロと転がります。
砂利クッキーを敷き詰めたトレイ。「こういく感じだよね」とお店のスタッフと相談しながら、砂利クッキーにコアジサシのクッキーを立てていきます。
ついに完成したコアジサシのクッキー。砂利のクッキーとセットで販売する「子育てセット」です。
「見た目から楽しく入ってもらってご家族とかご友人とか、皆さんで食べていただくのが嬉しい。“なんでこのクッキー、砂利とセットなんだろう?”って、疑問が生まれるじゃないですか。“コアジサシっていうらしい“、“砂利で子育てするらしい”みたいな会話も、そこから意味があるものになるんじゃないかな」と、栗田さんはクッキーに込めた思いを語りました。
砂利の敷かれた場所で“白い鳥“を見かけたら、その地面にはコアジサシの巣があるかもしれません。繁殖地の減少などにより、“絶滅危惧種”となってしまったコアジサシ。巣がありそうな場所を見かけたら、繁殖シーズンの夏の間は近づかないことを心がけましょう。