和歌山・金剛峯寺の「八大童子立像・不動明王坐像」など7件が新年度の修理助成対象に
文化庁、宮内庁、読売新聞社による「紡ぐプロジェクト」は、2025年度に実施する修理助成事業の対象に、和歌山・金剛峯寺の「八大童子立像・不動明王坐(ざ)像」など7件を決めた。有識者でつくる選考委員会が公募の中から選定した。
八大童子立像は不動明王の使者とされる8体。このうち制多伽(せいたか)=写真=、矜羯羅(こんがら)、恵光(えこう)、清浄比丘(しょうじょうびく)、恵喜(えき)、烏倶婆●(うぐがば)の童子6体が鎌倉時代の仏師・運慶一門によって制作され、国宝に指定されている。指徳(しとく)童子、阿耨達(あのくた)童子の2体は南北朝期の制作で、6体と合わせて国宝指定となっている。不動明王坐像は平安後期の作風で重要文化財。
いずれも像表面の漆箔(しっぱく)の剥がれが目立ち、3年かけて剥落(はくらく)止めなどを行う。
国宝はこのほか「地蔵菩薩立像」(京都・大報恩寺蔵)、重要文化財は「釈迦三尊像」(愛知・林泉寺蔵)、「石山寺多宝塔柱絵」(滋賀・石山寺蔵)、「如意輪観音坐像」(京都・平等寺蔵)、「蘭(らん)亭曲水図」(京都・随心院蔵)、「不動明王坐像」(石川・法住寺蔵)が選ばれた。新たに選ばれた文化財の詳細は後日、読売新聞で紹介する。
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