【高校サッカー選手権】異例の再試合は藤枝明誠に軍配。浜名は無念の敗退
11月4日、第103回全国高校サッカー選手権静岡予選の決勝トーナメント準々決勝3試合が裾野市運動公園陸上競技場で行われた。 【フォトギャラリー】 浜名vs藤枝明誠 16時50分キックオフの第3試合はプリンスリーグ東海勢同士の浜名と藤枝明誠の対戦となった。当初は今月2日に行われたが、0-0で迎えた延長前半9分、荒天による中止が決定。今回、異例の再試合となった。 試合は前半12分、DF5西原慧(3年)の左サイドからのクロスにFW13水上大和(3年)が左足で決め藤枝明誠が先制。これが決勝点となり、2年連続で準々決勝で浜名に敗れている藤枝明誠が3度目の正直でベスト4に駒を進めた。 決勝点のFW13水上はゴールシーンについて「こぼれてくるところを狙っていました。試合前に『力まずにシュートを打て』と言われたので落ち着いてGKの動きを見て、決めきるだけでした」と静かに語った。またその後の戦いについて「ハーフタイムでもゼロで抑えながら、引かずに点を取りにいこうとしました。引いたら相手に流れが行ってしまうので、意識は前に、ゴールに向かっていました」と積極性が功を奏した。 走り続け、戦い続けた80分。悪天候の試合から中1日と思えないほど両チーム、力戦奮闘した。「イレギュラーな試合になりましたが浜名さんも一生懸命プレーして、見ていて気持ちいい試合でした」と藤枝明誠・松本安司監督。疲労の影響は想像以上に大きく、前日練習ではボール回しをしても選手の身体は動かず、気分転換にと行ったシュート練習でも動きが重かったという。それでも「諦めずに最後まで競りにいったり、走ったり、ゴールに向かう姿勢は見えました。(取材陣にむけ)どうでした?感動しませんでしたか。お互いに頑張って、浜名さんも最後まで諦めなかった。改めて高校サッカーっていいなと思いました」と率直にそして熱く語った。 さらに指揮官は「試合前に選手に伝えましたが、勝った負けたはありますが一生懸命やれるかどうか。出し切るだけ出し切ったゲームだったので良かったかなと思います」と健闘を称えた。 藤枝明誠、次の相手は同じプリンスリーグ東海勢の浜松開成館。リーグでは1勝1敗の戦績。思わぬ強行軍から中4日を経て迎える準決勝。松本監督は「極力、良い状態でサッカーをやらせてあげたいです。きょうのように選手が100%やってくれるゲームにしてあげたい」とコンディションに注力する時間となりそうだ。 (文・写真=佐藤亮太)