尚古集成館館長の松尾千歳さん死去 64歳 島津氏や薩摩藩研究の第一人者
島津氏や薩摩藩研究の第一人者で、尚古集成館館長の松尾千歳(まつお・ちとし)さんが18日午前9時16分、肝細胞がんのため、鹿児島市内の病院で死去した。64歳。福岡県新宮町出身。葬儀・告別式は20日正午から、鹿児島市大竜町10の2の吉田葬祭新世館で、仏式で行われる。喪主は妻・三峰子(みほこ)さん。 鹿児島大法文学部卒業後、尚古集成館の学芸員、副館長などを経て2017年から現職。南九州の中世史研究者で鹿大名誉教授の故・五味克夫氏に師事し、戦国島津氏や薩摩藩の海外交易、幕末の技術史などを幅広く研究した。執筆や講演活動を通して、鹿児島の歴史について精力的に発信を続けた。 日本近代化の先駆けだった薩摩藩の集成館事業に着目。海外専門家の視察案内など、15年の旧集成館を含む「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産登録に当初から携わった。 22年には、中国の史料を基に島津義久の豊臣秀吉への謀反計画に迫った「秀吉を討て」を刊行し、注目を集めた。同年10月からは南日本新聞で連載「世界史の中の鹿児島」を開始し、辺境ではなく、海外との窓口として発展した鹿児島の姿を紹介。今月16日に25回目が掲載されたばかりだった。
南日本新聞 | 鹿児島
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