富山まちなか病院 現在地で増築、改修へ 30年度完了目指す
●工事費想定15億~20億円 富山市が素案 富山市は24日、老朽化が進む富山まちなか病院(鹿島町)の再整備に向け、現在地で入院棟を増築し、既存施設を改修する案を有力とする基本構想素案を公表した。建築工事費は約15億~20億円を想定し、診療体制の検討を含め2030年度中の再整備完了を目指す。 富山まちなか病院は築60年の鉄骨鉄筋コンクリート造り地上4階、地下1階建てで、延べ床面積は3833平方メートル。回復期機能を担う。 富山医療圏では回復期の病床の不足が見込まれ、再整備により病床数を現在の45床から60床に増やす。増築後の延べ床面積は約4700平方メートルとなる。工事期間中もできる限り、診療や入院を継続する。 有力案では病院北側の駐車場に、1階部分が駐車場の2階建て入院棟を整備し、既存棟と接続する。その後、既存棟を改修し、約25年、使えるようにする。 移転も検討したが、現在地が最も円滑に進められると判断した。既存棟を解体し建て替える案では、建築工事費が有力案の約2倍の39億円ほどかかり、再整備期間は8カ月延びる。 素案では「地域包括ケアシステムの推進に貢献する」など6項目の基本方針を設け、現在の5診療科や健診機能を維持する必要性も検討するとした。市が運営する現行の経営形態を継続する。 来年1月20日までパブリックコメント(意見公募)を行い、年度内に基本構想を策定する。来年度以降に基本計画の策定や設計を進める。