「自動運転は重要な選択肢」 公道で自動運転の実験開始へ 使用するのはフランス製のバス型電気自動車
滋賀県はこのほど、NTT西日本など民間3社と連携し、県内の公道で自動運転の実験を進めると発表した。本年度は実験に適したコースを1~2カ所選定し、来年度に運行実験を行う予定。概要を説明した三日月大造知事は「安全面などの課題を乗り越え、サービスや技術の発展につなげたい」と述べた。 【写真】完全自動運転車に乗りたい人の割合は? 5月に4者で実験協力の協定を締結した。県は実験全体の運営を担い、NTT西とNTTビジネスソリューションズがコース調査などを担当する。車両の提供と運行の支援は電子機器商社のマクニカが受け持つ。 使用する車両は、フランス製のバス型電気自動車(定員15人)。特定の条件下で完全自動運転できるレベル4に該当するシステムを装着しているが、今回の実験では、運転者が必要だが部分的に自動化するレベル2~3での運行を想定している。 車両の最高速度は25キロにとどまるため、市街地や山間部での実験を見込んでいる。本年度は市町への聞き取りや、交通量、障害物などの現地調査などを実施し、実験コースを決める。国土交通省の補助事業に採択されたため、本年度の事業費2千万円は全額を同省が助成する。来年度には無償で客を乗せて運行実験を行うことを予定している。2026年度以降には、レベル4での運行や県内の他地域に実験を広げていくことも検討している。 県は、公共交通の維持や活性化を進めるため、24年3月に「滋賀地域交通ビジョン」を策定。本年度からは具体的な施策や財源を盛り込む「滋賀地域交通計画」づくりを進めている。三日月知事は「既存の公共交通だけでは全ての移動ニーズを充足することはできないと考えている。運転手不足などもあり、自動運転は重要な選択肢の一つだ。せっかくの実験なので、多くの県民に関心を持ってもらいたい」と話した。 国はレベル4に向けた自動運転の運行実験を25年度までに50カ所以上、27年度までに100カ所以上で実施する目標を掲げている。 (まいどなニュース/京都新聞)
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