【政府効率化省トップに就任報道のイーロン・マスクの野望】Twitter買収はトランプ復活の布石だったのか?
現代の社会問題を網羅する
しかも、それがビジネスにつながる。というのも、マスク氏が経営する電気自動車のテスラは、すでにインターネットに接続されているが、今後、自動運転の分野でも世界をリードしようと考えている。ただ自動運転には、常時インターネット接続が必要になる。 つまり、高速インターネット通信が利用できる範囲が広がれば広がるほど、テスラの自動運転車が走れる場所は増え、テスラ車への需要は高まるはずだ。そして、このテスラ車開発の背景には、排出ガスをなくし、蓄電池開発を加速させ電気を使うのではなく、「電気をつくる」という彼の「正義」があるのだ。 さらに言えば、インターネットユーザーがさらに増えれば、Twitterのビジネスも成長する余地があるだろう。それまでに、課題だったTwitterの収益構造の構築を目指すはずだ。 電気自動車のテスラで排出ガスをなくして環境にやさしい自動車を送り出し、蓄電池開発も加速させる。インターネット通信でも人類の権利を守る。そして、世界的コミュニケーションツールの表現の自由を守り、透明性を維持する。さらには、破壊されゆく地球からの脱出を視野に入れている。 そんな現代の社会問題を網羅した「正義」を提げてビジネスを拡大させているのが、イーロン・マスク氏なのである。ただどれも、ビジネスとして成立しなければ継続は難しい。それを自分の手腕で実現してきたことこそが、マスク氏を世界に名だたる富豪たらしめた所以だ。 今回のTwitter騒動は、人類のためにプラットフォームを整備しようとするマスク氏の大構想の一端にすぎない。世界を賑わすお騒がせ経営者の動きだが、実は世界の安全保障や環境、人類の行く末にも切っても切り離せないのである。今後も目が離せない。
山田敏弘