「我々は脆弱だ」指揮官ペップも嘆く公式戦6戦未勝利のマンC…現地メディアは守備の脆さを指摘「どんな覇権も永遠には続かない」
マンチェスター・シティは現地時間11月26日に行なわれたチャンピオンズリーグ(CL)のリーグフェーズ第5節、フェイエノールトと3-3で引き分け、勝点8で15位(全36チーム)に止まっている。 【動画】3-0の勝利を確信した直後に3失点…マンC対フェイエノールト、ハイライト ここまで公式戦5連敗という近年にない不振に陥っているマンCにとっては、このホームゲームで勢いを取り戻したいとの思惑があった。実際にアーリング・ハーランドが44分にPKで先制点を奪うと、50分にはイルカイ・ギュンドアンが強烈なシュートで2点目、そしてその3分後にも右からのクロスにハーランドが反応してリードを拡げるなど、狙い通りの試合展開となったが、75分にバックパスのミスからオランダ・チームの追撃を許すと、守備のドタバタもあって82分、89分と失点を喫して勝点3を取り逃してしまった。 75分まで3点をリードしながら勝利を挙げられないというCL史上初という不名誉な記録を樹立してしまった一昨シーズンの欧州王者。他にも公式戦6戦連続未勝利は8年ぶり、そして連続複数失点は1963年5月以来ということで、名将ペップ・グアルディオラの苦悩はますます深まることとなった。 彼は試合後、「今季は我々にとって厳しいものになるだろう。それを受け入れなければならない。最近は多くの試合に敗れており、我々は脆弱だ。もちろん、今日は勝利が必要だった。良いレベルでプレーできていたが、最初に何かが起きて問題が発生してしまった。それが精神的なものかどうかは分からない。最初の失点も、2失点目も、本来あってはならないものだった。その後、我々は悪い流れを引きずり、状況に対して適切に対応できなくなった」と語っている。 ペップは試合前日の会見で、「私の選手たちを返してくれれば、何かが変わるはずだ。4人のDFがいない状況は非常に厳しい。中盤の選手も2人が負傷しており、世界最高の選手であるロドリもいない。さらに3人のウイングも負傷している」と怪我人の多さを嘆いていた。確かに今年のバロンドール受賞者ロドリをはじめ、マテオ・コバチッチ、ジェレミー・ドク、オスカー・ボブ、ルベン・ディアス(ベンチ入りするも出場なし)らの負傷欠場は明らかにマンCのパフォーマンスや結果に影響を与えたようだ。 ただサッカー専門サイト『90min』は、マンCの低迷の原因について「本当に怪我人の多さが原因なのか?」と見出しを打った記事の中で、「この試合、GKエデルソンは2失点目と3失点目で不安定な対応を見せ、CBヨシュコ・グバルディオルは、最初の失点の場面でチームを苦境に陥れるミスを犯した。彼らはいずれも、ほぼ常にスタメンに名を連ねる選手であり、高額なチームメイトの代役などではない。マンCには現在、メンタリティーの問題が存在しており、ペップはこれを緊急に修正する必要がある」と指摘している。 また同メディアは、複数失点を防ぐことができない守備の脆弱さにも注目し、「この試合でマンCは、3点はもちろん、1点すら失う必要がなかった。それが慢心によるものなのか、それとも実際には存在しないプレッシャーに対処できなかったためなのかは不明だが、彼らは自ら墓穴を掘り、それまで攻撃陣が積み重ねてきた全てのポジティブな成果が台無しになった」と綴り、「週末のリバプール戦(プレミアリーグ第13節)で同じような守備を見せれば、マンCは簡単に自らのプライドを失うことになるだろう」と警告した。 マンCの守備については、日刊紙『The Guardian』も「これまでのコンパクトな4-3-3を捨て、4-2-3-1に変更したが、依然として相手にスペースを与え、無駄なプレーが続いた」と評し、「ペップ率いるチームは、DFラインの裏にボールを蹴られると常に弱さをさらけ出す。ラインをあれだけ高くしてプレーしていれば、物事が上手くいかなくなった場合、トランジションの中で次々に失点を喫したプレミアリーグ第12節トッテナム戦(0-4)のような状況に陥るのはほぼ避けられない」と指摘している。 ハイプレスの雑さに対しては以前から問題点として挙げられていたマンC。現在の不調については、他にもハードスケジュールによる疲労、主力選手の高齢化、そして注目を集めているFFP違反容疑に対する処分の行方なども原因に挙げられている中で、『The Guardian』紙は「(この不調は)今だけに限らない可能性もある。どんな覇権も永遠に続くものではない」と綴り、以下のように続けた。 「過去の偉大なチームがそうであったように、抑制が取り払われ、完全に開花を許された花には、やがて衰退という未来しか残されていない。もっとも、裕福なクラブであれば、この物語を書き換える力を持っている。これは単なる一時的な不調に過ぎない可能性もある。この先を見極めること、そしてグアルディオラという偉大な監督が、避けられないエントロピーにどう対処するのかを見守るのは、非常に興味深い」 構成●THE DIGEST編集部
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