【広島好き】このままでは終われない。歴史的急失速の広島ナインが残り9試合で示すべきもの
大きな目標を失って、すぐに新たな目標へ切り替えることは容易ではない。V逸が決まった広島ナインも、似たような壁に直面しているように感じる。
歴史的な急失速だった。4日まではリーグ首位に立っていた。だが、得点力不足の攻撃陣をカバーしてきた投手陣に綻びが生じた。先発陣が序盤から失点する試合が目立ち、劣勢の試合展開から早めの継投を余儀なくされ、中継ぎ陣の負担も増している。
ピンと張り詰めていた糸がプツリと切れたように、負け続けた。投打がかみ合わずに、悪い流れを断ちきれない。9月の戦績は4勝16敗。1日には14あった貯金は1まで減り、順位は4位にまで落ちた。
23日の敗戦で、優勝の可能性が完全になくなった。次なる目標はCS出場圏内の3位以上に入ることとなる。ただ、チームの歯車はうまくかみ合わず、喪失感も拭えない。
ただ、このままでは終われない。チームにとっても、選手にとってもシーズンの終わり方も大事だ。26日ヤクルト戦先発予定の床田寛樹は言う。
「ここで諦めながら投げるのと、もう一度踏ん張って抑えるとなれば、来年につながってくると思う。もういいやって投げて、もし勝てたとしても何にもつながらない」。
このまま4位で終わるか、それともここから再びはい上がってCSに進んで終わるのかでは、来季の目標設定が変わってくる。昨季2位となり、CSファイナルまで進んだことで、チーム全体に優勝への思いが強くなった。今チームに漂う強い喪失感は、昨季の経験があったからだろう。
チームとしてうまく機能しない今、選手個々の争いがチーム力を活性化させることを期待したい。20日にはベテランの松山竜平、田中広輔の出場選手登録が抹消され、林晃汰、韮沢雄也が出場選手登録された。23日には田村俊介も1軍に昇格した。
15日DeNA戦でプロ初勝利を挙げた常廣羽也斗が29日中日戦に先発させるなど、新井監督はCS圏内死守だけでなく、来季以降を見据えて若手を積極起用する。