甲子園の“代償”!? 酷使された絶対的エース(3)「春夏連覇」のサウスポーだったが
8月7日に開幕した第106回全国高等学校野球選手権大会。多くの観客を魅了し続けている一方、夏の甲子園による影響を指摘されることは珍しくない。その一つが投手の「投げすぎ問題」で、甲子園で力投を見せた選手の多くは、何かしらの不調や故障に苦しんできた。今回は、甲子園で700球以上を投じ、プロ入りした選手を紹介する。 【表】夏の甲子園2024 組み合わせトーナメント表
島袋洋奨(783球)
投打:左投左打 身長/体重:174cm/76kg 生年月日:1992年10月24日 経歴:興南 ドラフト:2014年ドラフト5位 沖縄県勢初となる夏の甲子園優勝の立役者となった島袋洋奨。そんな島袋でも、プロでの登板は2試合にとどまった。 興南の絶対的エースに君臨した島袋は、3年春のセンバツ甲子園で優勝。日大三(西東京)との決勝戦では198球の力投。延長12回を投げ切った姿は、高校野球ファンの中に刻まれているはずだ。 迎えた同年夏の甲子園でも、島袋は6試合計51イニングを投げた。最後は東海大相模(神奈川)に13-1で圧勝し、沖縄県勢として初めての夏・制覇。同大会は783球を投じた。ドラフト上位候補とも言われていた中、中央大学への進学を決意する。 大学2年時のリーグ戦、島袋は1週間で441球を投げた影響によって左肘を痛め、約半年間のノースロー調整を強いられることに。 その後、ドラフト5位で福岡ソフトバンクホークスへ入団したが、本領発揮とはならず。けがの影響は色濃く残っており、高校時代から相当な負担がかかっていたことは疑う余地もないだろう。
ベースボールチャンネル編集部