くい打ちデータ不正“社内で横行”「そういう環境にあったことは認める」
誤認か意図的流用か
横浜のマンションの8本のくいについて、旭化成は「支持層に届いていない可能性がある」と認めている。ただ「データ流用=不具合」とは思っていないともいい、くいが実際には到達している可能性もあるとしている。 平居副社長は「現場で不具合は起こっている。だから(マンションは)沈んだ」と語る。その不具合の原因について、「支持層に届いていないことを承知しながら流用でごまかした可能性も否定出来ないが、支持層に当たったと誤認したのではないか、という思いをいまだに持っている」と「2つの仮説」を推察する。 ヒアリングでは、現場代理人をはじめ、横浜の現場に関わった人間は「(支持層に当たった時の)ドーンという衝撃はあった」「電流計がはねた」と証言しているという。起伏が激しい現場だったので、勾配のあるところにくいがぶつかって「到達した」と誤認した可能性があるのだという。「今日現在あのくいがどうなっているか。10年前の記録と記憶とメモを集めてやっているので1日も早く知りたい。そうすれば彼らの話が正しいかどうかが分かる」。
流用物件の安全性
横浜の代理人がデータ流用した19件の安全性について、平居副社長は「きょうまでのところ、19件について不具合の報告は入っていないということ。それが精一杯いえること」と語った。 旭化成建材は二次下請、三次下請なので「『ウワモノ』のデータが全くない。あくまでくいだけ。安全性を私たちが積極的に発信していくことは出来ない」といい、構造計算書などを持っている元請と協力しない限り、「安心も確保することが出来ない」と述べた。