くい打ちデータ不正“社内で横行”「そういう環境にあったことは認める」
THE PAGE
旭化成建材がマンションなど建物のくい打ち工事データを改ざんしていた問題で、旭化成は2日午後、都内で会見し、旭化成建材がくい打ちを実施した3040件についての調査の進ちょく状況を公表した。横浜のマンションの現場代理人以外でも複数名によるデータ流用が判明し、社内で流用が横行しているかのような事態に、旭化成の平居正仁副社長は「そういう環境にあったことは認める」と、教育やチェック管理体制に問題があったの認識を示した。 【全編録画】くい打ちデータ改ざん 旭化成が3040件の調査進ちょくで会見
流用は19件の179本
旭化成の発表によると、横浜のマンション工事の現場代理人が過去に担当した全42件のうち、横浜の物件を含む19件でデータ流用を確認した。くいの数としては、3662本に関わっており、うちデータ流用が確認されたのは179本。そのうち70本は横浜の物件だった。 会見では、この代理人が関わったくいの数について当初、旭化成側が把握をしておらず、会見途中に口頭で報告された。記者からは「国交省に届け出ながら、くいの数を把握しないで会見を開くとはどういうことか」と詰問される場面もあった。 3040件(対象1185社)の調査の進ちょくでは、2858件(同1118社)については元請の建設会社に調査依頼を送付済みで、残りの182件については、所在不明や倒産などの種々の理由で連絡が取れておらず、現地確認をして特定していくとした。 「不正が疑われるのは何件ほどか」との問いに、平居副社長は「3040件の調査はまだ作業の途中。やっと41件を報告できる状況になった」とし、予断を持って言うことはできないと述べた。
会社ぐるみ?
横浜のマンションの現場代理人以外にも、複数名によるデータ流用が確認されたことを公表。記者からは社内で流用が横行し、「会社ぐるみなのでは?」との質問が相次いだ。 平居副社長は「多くの現場代理人がそういうことをする環境にあったことは認める」と、教育やチェック管理体制に問題があったとの認識を示したが、「その原因を含めてまさに調査している最中。まだご返答できる状況ではない」との説明を繰り返した。また複数名とは具体的に何人くらいかの問いにも「調査中」とし、「11月13日には報告したい」と語った。 旭化成建材は二次下請、三次下請の立場で「主導権を持ってやれないスタイル」だったと説明し、その中での管理体制のあり方について「深く反省している」と述べた。