【解説】“史上最多”候補者乱立の自民党総裁選 戦いの行方は…
■ベテラン勢に不安? 乱立で論戦にも影響が…
鈴江キャスター 「その論戦ですけれども、乱立で不安を抱えている候補というのもいるんでしょうか?」 平本記者 「これは茂木氏や石破氏など、『経験が武器』として戦おうとしているベテラン勢の不安があると思います。今回の戦いではそうしたベテラン勢と、小泉氏、小林氏など『刷新感』はあるけど『経験のない若手』、どちらがトップにふさわしいかという論点もあると思います。茂木氏の陣営はこれからはじまる論戦を深める事で若手との違いを浮き彫りにしたい戦略を描いています」 「石破陣営の幹部もこういう話をしていました。『1時間、徹底的に小泉さんと論戦を行えば、石破氏なのか小泉氏なのか違いがわかってもらえる』と。そういった自信をのぞかせていますが、今回乱立したことで、これまでの総裁選に比べ、選挙戦の論戦で1人の候補に割り当てられる時間が少なくなる影響が出るのではという声があります。ベテラン陣営からは、議員や党員の支持獲得に向けて、『短時間で違いを見せる難しい戦略が問われる』といった不安の声が出ています」
■「乱立」で勝利のカギを握るのは党員票?
鈴江キャスター 「その『乱立』ですけれども、勝利のカギ握るのは何になるのでしょうか?」 平本記者 「今回の総裁選は、乱立していることもあって1回で終わらず、1位と2位の決選投票になるとの見方が大勢です。この決選投票に残るカギを握るのが党員票とみられています。なぜかというと、今回、8人が出馬すると、1陣営あたり推薦人20人ですから、160人の支持は固まるだろうと。議員票は367票なので残り200票の争いとなります。取材をしていると、各陣営から『乱立したことで議員票は今回、分散するので差が出づらいだろう』という声が出ています」 「そこで注目されるのが、議員票と同数の票を握る地方票、党員票になるわけです。こちらは世論の人気が高い石破氏、小泉氏が優勢で、4日に会見をした茂木氏、3日に出馬会見をした林氏などは劣勢とみられています。決選投票に進むためには、この党員票をどこまで獲得できるかがカギを握ることになりそうです」