新たな変異株は死者の8割以上が子ども WHOが緊急事態を宣言の「エムポックス」震源地のコンゴ民主では日本のワクチンに期待【news23】
■死者の8割以上が子ども ディヴィーヌちゃん(10)は1つ上の兄から家庭内で感染し、体中に発疹が出ました。 ディヴィーヌちゃん 「熱があるの。かゆいです」 発熱が続いたものの、今は治療を受け、快方に向かっています。 ヴィジャナ病院 ジェリー医師 「この病院ではすでに3人の子どもを看取りました。2人が生後10日、もう1人は9か月未満の子どもでした」 ディヴィーヌちゃんよりも先に感染し治療を終えた、兄のウィナーくん(11)。学校から帰ると、背中一面に発疹が出ていることに気付きました。 兄 ウィナーくん 「熱で何も食べられなかった。食べられても少しだけ」 ところが、病院に行ったのは症状が出てから3日目。母親のファローヌさんは、経験したことのない病にとまどい、周囲にアドバイスを求めました。 母 ファローヌさん 「知人が『キャッサバの葉を潰して塗れば治る』と言ったのでその通りにしましたが、症状はひどくなるばかりでした。とても苦しく、毎日泣くしかありませんでした」 ウィナーくんの症状が悪化したのは、コンゴの一部で伝統的な医療に頼る慣習が残っていることも背景にあります。 ユニセフによると、今年に入ってコンゴでは、1万5000件以上の感染例が報告されていて、死者のうち8割以上が子どもでした。 ユニセフ 保健緊急事態対応の担当 「私たちが当初から最も懸念していたことのひとつは、子どもたちの死亡率です。子どもたちは遊ぶときに皮膚と皮膚が接触するため、感染が広がりやすいのです」 ■子どもを救え!日本のワクチン 子どもたちを救うため、注目されているのが日本のワクチンです。WHOは19日、日本のKMバイオロジクスのワクチンの緊急使用を承認したと発表しました。 いま、子どもにも使用できるワクチンとしては、日本製のものしかありません。しかし、提供が遅れていて、接種開始の見通しはまだ立っていません。 ディヴィーヌちゃんは治療を受け、幸い快方に向かっていますが…