次の感染症危機に備え 新型コロナ「対応記録」作成 南信州広域連合【長野県】
新型コロナウイルス感染症への対応や課題を次の感染症危機に備える狙いで、長野県の南信州広域連合は対応記録をまとめた。記録は住民や地域産業への対応、所管事務での感染症対策、事務事業進行管理表ごとの対応など全5章から成り、うち事務事業進行管理表ごとの対応では講じた対策や事業中止・変更の判断に加え、対策の効果と課題、将来へのアドバイスを記した。 事務事業進行管理表の一般会計のうち広域連合会議と議会について、対策として議会のオンライン開催を可能とするための条例改正と要綱を制定。感染症対策を連合会議の毎月の議題とし、情報共有と対策を検討した。 景観形成プロジェクトはウェブ会議を取り入れ、課題として「行政間での話し合いが主で、現時点で特に支障は出ないものの民間を含めた協議が進んでいく際には対応の検討が必要」と指摘した。 広域観光リニアプロジェクト推進事業では「地域内の観光関連事業者は深刻な影響を受けた」などと影響に触れた。広域観光を担う南信州観光公社を負担金で支援したことで「コロナ対応のツアーやアフターコロナを見据えた事業の計画や、実施に向けて効果があった」とした。 地域公共交通事業では公共交通の利用者が急減し、急減に伴って事務局として予定していた事業が複数中止になり「代替事業を行うなど、当初予算にとらわれずに必要なことを実施していくことが求められた」とした。将来へのアドバイスとして「事業者と意見交換を行い、必要な対策を講じること」と加えた。 ごみ中間処理施設運営管理事業では、外出自粛が長引いた影響で家庭ごみが増え「特に直接搬入ごみの影響が大きかった」と振り返った。食品包装での個別包装が増え、プラ資源と紙資源ごみが増加。施設見学の受け入れも制限や中止の対応を余儀なくされた。ごみ搬入量の増加を受け、プラットホーム対応を増員した他、焼却施設運転日数を増やすなどの対応。受け入れをストップすることなく平常運転が実施できた―とした。 飯田竜水園運営管理事業について、し尿処理施設の運営管理では受け入れ中止や施設稼働停止の影響はなかった。将来へのアドバイスとして「住民生活に不可欠な事業を担っており、職員の感染拡大による施設の稼働停止はあってはならない事態」と指摘。新たな感染症拡大に備え、圏域内外のし尿処理施設間の連携協定も必要になるとした。