お一人さまのまま老後を迎えた場合、どのくらいの生活費が必要になる?
単身者の場合、受給できる年金は夫婦世帯より低くなるのが一般的です。二人暮らしほどの生活費はかからないとしても、老後の生活に不安を持つ単身者もいるでしょう。もしもお一人さまのままで老後を迎えた場合、生活費はどれくらい見ておけばいいのでしょうか。 本記事では、老後にかかる平均的な生活費を紹介し、年金生活に入る前に準備しておきたいことなどを解説していきます。 ▼高齢者の「4人に1人」は働いている!? 平均年収はどのくらい?
単身世帯の高齢者に必要な生活費は?
総務省統計局がまとめた家計調査報告「2022年(令和4年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯の平均消費支出は14万3139円です。この他に非消費支出として1万2356円が必要になるとされています。非消費支出とは税金や社会保険料のことで、世帯で自由にできない支出や借金利子などです。非消費支出も合わせると、月々の平均支出は15万5000円ほどになります。 65歳以上の単身無職世帯の実収入の平均は13万4915円で、このうち社会保障給付は90.1%(12万1496円)を占めています。社会保障給付とは簡単にいえば年金や生活保護などのことで、この場合は年金と考えるのが一般的でしょう。その他の収入が9.9%で、不足分は2万580円となっています。
15万円あれば暮らせるとは限らない
先ほどの「2022年(令和4年)平均結果の概要」で調査した内訳を見ると、消費支出14万3139円のうちもっとも高い割合を占めているのは食費で26.2%(約3万7500円)です。 その次は交際費で12.5%(約1万8000円)、水道・光熱費で10.3%(約1万4700円)、交通・通信費10.2%(約1万4600円)と続きます。ところが、固定費である住居費は8.9%と低い値になっています。金額に換算すると1万3000円ほどの金額です。 この調査には、持ち家の人も賃貸物件に住んでいる人も含まれています。持ち家なら毎年の固定資産税だけで済むため、1ヶ月あたりに換算するとこれくらいの額で収まる可能性は高いでしょう。しかし、老後を賃貸物件で暮らす予定の人は住居費がもっと膨らむことが予想されます。月々15万円の収入が見込めても、住居によっては暮らせない人も出てきます。